Link-U(4446)が7月18日、マザーズに新規上場する。
インターネットサービス事業を展開し、事業領域としては電子書籍配信サービスに注力。その中でマンガコンテンツをメインに配信している。
2013年に会社設立。14年に小学館との協業でスマートフォン(スマホ)アプリ「マンガワン」をリリース。その後、スクウェア・エニックス提供の「マンガUP!」(17年1月)、白泉社提供の「マンガPark」(17年8月)と、マンガアプリをリリースしてきた。
セグメントでは「リカーリングサービス」が柱。これは、①サーバーの調達、システムの構築およびデータセンター設置のサーバー保守運用、②継続するスマホアプリの開発・アップデート、並びに③サービス運用および広告運用の組み合わせ、もしくは単体でこれらのサービス提供―で構成している。また、リカーリングサービス案件獲得のための受託開発を提供する「初期開発・保守開発サービス」がもう一つのセグメント。リカーリングサービスの収益の多くを占める「マンガワン」についてはサーバー、アプリ開発およびサービス運用の3つのサービスをまとめて提供。「マンガUP!」「マンガPark」ではサーバーサービスを提供している。
リカーリングサービスの売り上げは、同社の持続的な収益基盤となるレベニューシェア収益および月額固定収益で構成される。レベニューシェアとはパートナーとして提携した企業同士がリスクを共有しながら利益をあらかじめ決めておいた配分率で分け合うこと。レベニューシェア収益は主に課金売上および広告売上で構成している。マンガアプリにおける課金売上はコンテンツを閲覧するためのユーザーによる課金となっており、広告売上はコンテンツの閲覧に必要なライフ(ポイントの種類)を入手するためのユーザーアクションおよび広告閲覧となっている。
同社が提供するマンガアプリは無料ポイントを付与するフリーミアムモデル(制約の範囲内は無償でサービスを利用できる)。ユーザーのマンガ閲覧に対する敷居を下げ、アプリに慣れ親しんでもらう考え。
今後の展開としては、①さらなる1人当たりの配信量の増加、ユーザー数の増加などに対応した新たな技術開発、②新たなコンテンツホルダーとの契約の実現、③将来に向けた新規事業の開発、④海外事業展開の推進――などに取り組む。
19年7月期の業績は売上高10億6,800万円(前期比76%増)、経常利益3億7,800万円(同79%増)の予想。
上場に際して調達した資金は、顧客企業などの増加に伴う通信トラフィック増加や機能拡充に対応するための内部サービス費用、また会社規模の拡大および事業ポートフォリオ多様化のための新規エンジニア確保を目的とした人件費などに充当する予定。
概要
●事業内容=サーバー技術を用いたデータ配信、分析・処理を主としたインターネット事業
●本社=東京都千代田区神田駿河台4-4-1
●代表者=松原裕樹代表取締役社長
●設立=2013年8月
●上場前資本金=4,345万円
●発行済み株式数=445万5,000株(上場時)
●筆頭株主=松原裕樹(上場前40.72%)
●公募株式数=25万1,000株
●売出株式数=26万2,000株(このほかオーバーアロットメントで7万6,900株)
●仮条件=7月1日に決定
●ブックビル期間=7月2~8日まで
●引受証券=SMBC日興(主幹事)、SBI、野村、極東、いちよし、エース、岡三
業績推移(単体)
売上高 | 経常利益 | 1株利益 | 配当 | |
2017.7 | 628 | 279 | 40.36 | ― |
2018.7 | 610 | 211 | 36.00 | ― |
2019.7(予) | 1,068 | 378 | 63.97 | ― |
※単位100万円、1株利益は円 |