SBIリーシングサービス(5834)が10月19日、グロースに新規上場する。
SBIHD(8473・P)の子会社。航空機、船舶などを対象としたオペレーティング・リース事業に投資するファンドを組成し、地域金融機関などと連携して金融商品の販売を行っている。株式、債券など伝統的な投資とは異なる効果がある金融商品となる。
このうちJOL(Japanese Operating Lease)は航空機を投資対象とした実物資産投資。子会社を業務執行組合員とする民法上の任意組合契約を締結し、航空機リース事業を共同で行う。航空機メーカーなどからリース物件を購入。航空会社などに貸し出し、リース料を受け取る。さらに、リース終了時に再販市場で対象物件を売却することにより、キャピタルゲインの獲得を目指す。投資家は組合に出資し、出資割合に応じて、自社のバランスシートにリース物件を資産計上。リース料や売却代金の分配分などを受け取る。
JOLCO(Japanese Operating Lease with Call Option)はリース期間中またはリース終了時のいずれかの時点で賃借人にリース物件を購入する権利が付与されている。子会社が投資家と商法上の匿名組合契約を締結し、投資家からの出資金や金融機関からの借入金で航空機や船舶、コンテナなどを購入し、航空会社や海運会社にリースする。投資家は法人税の繰延効果と、リース満了時の売却によるキャピタルゲイン獲得を目的とする小口化商品。
航空業界はコロナ禍からの回復傾向にあり、海運業界は貨物需要の高まりで業績は好調に推移している。コロナ禍の2021年3月期は国内投資家のニーズも減退傾向で商品組成金額も落ち込んだが、両業界の業績にあわせて、投資意欲も旺盛になってきている。このため、船舶・コンテナ案件の比率拡大、円建て案件の組成、継続的なJOL商品組成などで、様々な投資家ニーズに対応。さらに、SBIグループのネットワークを活用し、有力地域金融機関や新生銀行グループ、各地の税理士、会計士との関係構築で全国的な販売網を築いている。
23年3月期の業績は売上高371億6,900万円(前期比25.8%増)、営業利益42億9,000万円(同30.8%増)を見込んでいる。(HS)
概要
●事業内容=航空機、船舶などを対象としたオペレーティング・リース事業に投資するファンドの組成・販売
●本社=東京都港区六本木1-6-1
●代表者=久保田光男代表取締役社長
●設立=2017年4月
●上場前資本金=1億円
●発行済み株式数=744万6,800株(上場時)
●筆頭株主=SBIHD (上場前91.32%)
●公募株式数=35万株
●売出株式数=185万株(ほかにオーバーアロットメントで33万株)
●仮条件=9月30日に決定
●ブックビル期間=10月3日から7日まで
●引受証券=大和、みずほ、SBI(共同主幹事)、SMBC日興、松井、岩井コスモ、極東
業績推移(連結)
売上高 | 経常利益 | 1株利益 | 配当 | |
2021.3 | 11,998 | ▼671 | ― | ― |
2022.3 | 29,556 | 2,813 | 1,460.28 | ― |
2023.3(予) | 37,169 | 3,817 | 359.51 | 10 |
※単位100万円、1株利益は円、▼は赤字 |