Speee(4499)が7月10日、JASDAQに新規上場する。当初は4月20日に上場する予定だったが、市場環境の変化を受けて上場を延期していた。
企業のマーケティング活動のデジタル化を支援する「MarTech事業」、消費者と事業者をつなぐプラットフォームを提供する「X-Tech事業」が柱。
「MarTech事業」は、データ分析を元にしたマーケティングソリューションサービスを提供するほか、データを活用したマーケティング施策のオペレーション代行などを行っている。具体的には以下のサービスを提供している。
「Webアナリティクス」はGoogleなどの検索エンジンを通じてユーザーの来訪数や購入数などを向上させるために、顧客のWebサイトの掲載内容や構造を改良することを目的としたコンサルティングを提供。顧客ごとに毎月一定額の報酬を得ている。「トレーディングデスク」は運用型広告を中心とするプロモーション手法を通じ、顧客のWebサイトへの集客を適切に行うための課題抽出、戦略立案から広告の運用までを実施しており、広告の出稿量に比例した報酬を得ている。「UZOU」は機械学習の技術を活用したアルゴリズムにより、ユーザー・媒体・広告の最適なマッチングを図るネイティブ広告を扱うアドネットワーク。「PAAM」は散在している顧客の社内外のデータを収集・統合・可視化するとともに、広告の費用対効果をはじめとするマーケティングの利活用の方法を提案する。
MarTech事業は首都圏を中心に293社の顧客にマーケティング支援を行っており、広告の配信では198社の広告主・642の媒体との取引を行っている(2020年5月度実績)。
「X-Tech事業」は、消費者と事業者双方の売買経験が蓄積されていないことに着目。バリューチェーンの生産性に影響を及ぼしている課題を特定した上で、テクノロジーを活用した新たなソリューションを実装したサービスを提供している。具体的には、中古不動産売却におけるマッチングサービス「イエウール」、外壁リフォームにおけるマッチングサービス「ヌリカエ」を展開している。
2つの主力事業のほかに、ブロックチェーン技術を活用して、これまで流通してこなかった企業や個人のデータの取引を可能にするプラットフォーム「Datachain」を運営する「Data Platform事業」がある。また、インドネシアにおける企業の求人広告を制作・掲載し、それを求職者である一般ユーザーへ情報提供を行うWebサービスや、従業員のヘルスケア領域に対して、テクノロジーを活用したサービスの運営を行っている。
20年9月期の業績は売上高87億5,300万円(前期比18.0%増)、経常利益5億3,700万円(同2.8倍)の予想。売上高の内訳は、MarTech事業が56億1,700万円(同18.3%増)、X-Tech事業が30億8,700万円(同23.0%増)。
概要
●事業内容=データ資産を利活用したマーケティング活動を支援するMarTech事業、および消費者と事業者をつなぐプラットフォームサービスを提供しリアル産業のデジタルシフトを促進するX-Tech事業の運営など
●本社=東京都港区六本木4-1-4
●代表者=大塚英樹代表取締役
●設立=2007年11月
●上場前資本金=3,664万円
●発行済み株式数=975万5,600株(上場時)
●筆頭株主=大塚英樹(上場前29.91%)
●公募株式数=85万5,600株
●売出株式数=12万株(ほかにオーバーアロットメントによる売出が14万6,300株)
●仮条件=6月23日に決定
●ブックビル期間=6月25日から30日まで
●引受証券=野村(主幹事)、SBI、みずほ、楽天、SMBC日興、大和、マネックス、藍澤、いちよし
業績推移(連結)
売上高 | 経常利益 | 1株利益 | 配当 | |
2018.9 | 7,165 | 165 | 28.32 | 0 |
2019.9 | 7,420 | 189 | 2.53 | 0 |
2020.9(予) | 8,753 | 537 | 54.95 | 0 |
※単位100万円、1株利益は円 |