Terra Drone(278A)が11月29日、グロースに新規上場する。
「Unlock “X” Dimensions(異なる次元を融合し、豊かな未来を創造する)」をミッションとする、産業用ドローンのソリューションプロバイダー。測量・点検・農業分野などの課題に対応したハード、ソフト、サービスを開発して国内外に提供している。ドローンサービス企業として世界トップ3に入る。
表面を壊さず超音波で板厚検査や腐食検査を行えるドローン(欧米で特許取得済み)、スプレー半径10センチメートル以内と高精度に農薬を散布できるドローンなども開発。サウジアラビアのインフラ整備のための地形調査、石油メジャー・シェルの欧州最大規模の製油所、インドネシアとマレーシアのパーム油農園での農薬散布など、利用例は枚挙にいとまがない。
また、ドローンを安全に飛ばすための運航管理システム「UTM」を開発し、運航管理事業を展開している。主な収益は、初期導入料のスポット収益と、年間ライセンスや飛行回数に応じた従量課金などのリカーリング収益。UTM実装済み/稼働実績のある16カ国中10カ国から採用されている。現在はグループ会社2社(UTMで欧州トップシェアのユニフライ、米国トップシェアのアロフト)とともに、空飛ぶクルマ向け運航管理システムの開発にも取り組んでいる。
こうしたドローンソリューション事業と運航管理事業により、産業課題の解決と、ドローンや空飛ぶクルマが飛び交う低空域経済圏の構築、エアモビリティ領域のプラットフォーマーとしての立ち位置を確立していく。
同社は2016年の創業以来、世界各国の有望なドローン関連企業への出資・M&Aを積極的に行い、グローバルネットワークを構築してきた。今後も物流事業など旧産業を新産業に置き換えることができる国内外企業を検索し続けるとともに、買収企業の収益化を図っていく。上場に伴う公募増資で調達した資金は、M&A資金、子会社成長のための投融資、国内UTMシステムやグループ管理システム構築などに充てる予定。なお、Terraはラテン語で「世界」を意味する。海外売上比率は前期で39%。(Q)
概要
●事業内容=測量・点検・農業などにおけるドローンを含むハード・ソフトの開発およびサービスの提供、安全かつ効率的なドローンや空飛ぶクルマの運航を管理するためのシステム(UTM)の開発・提供
●本社=東京都渋谷区渋谷2-12-19
●代表者=徳重徹代表取締役社長
●設立=2016年2月
●上場前資本金=9,999万9,000円
●発行済み株式数=931万9,700株(上場時)
●筆頭株主=テラ株式会社(上場前39.40%)
●公募株式数=115万5,000株
●売出株式数=24万900株(ほかオーバーアロットメントで20万9,300株)
●仮条件=11月13日に決定
●ブックビル期間=11月14日~20日
●引受証券=SMBC日興(主幹事)、SBI、野村、大和、東海東京、みずほ、楽天、松井、岡三、岩井コスモ、水戸、マネックス、丸三、東洋、極東、香川
業績推移(連結)
売上高 | 経常利益 | 1株利益 | 配当 | |
2023.1 | 1,949 | ▼855 | – | – |
2024.1 | 2,963 | ▼111 | – | – |
2025.1(予想) | 4,122 | ▼650 | – | – |
※単位100万円、▼は損失 |