TORICO(7138)が3月23日、マザーズに新規上場する。
コミック全巻セットに特化したネット書店「漫画全巻ドットコム」のEC(電子商取引)サービスをはじめ、デジタルコミックの国内外への配信サービス、リアルスペースとECサイトでのマンガイベントサービスを展開している。
主力のECサービスでは、1巻から最終巻までの全巻をまとめ買いできる「漫画全巻ドットコム」のほか、女性向けの「ホーリンラブブックス」、男性向けの「まんが王」など、ユーザー層やコンセプトの異なるネット書店を運営。「漫画全巻ドットコム」は新品、中古の単行本セットと電子書籍漫画で、合計20万作品以上のコミックを取りそろえる。巣ごもり消費を背景とした受注増加に対して、倉庫機能の拡大と仕入れ・配送体制の強化を図ることにより、在庫不足による機会損失を低減させた。
デジタルコミック配信サービスは、国内でマンガアプリの「スキマ」、海外では「MANGA CLUB」を手掛けるほか、自社オリジナル作品の編集・出版を行っている。アプリのほかにスマートフォン、タブレット、PCでの閲覧が可能なうえ、一部は無料で提供しており、同社グループ最大のユーザー数を誇る。多くの企業が新規参入して競争環境が厳しさを増すなか、ライトユーザー向けマンガ閲覧のハードルを下げることで、ECサービスやイベントなど他事業に誘導する役目も果たしている。
イベントサービスは、自社店舗で開催するイベントである「マンガ展」を通じて新たな楽しみを提供する。池袋、渋谷、大阪の店舗で漫画家のサイン会、原画の展示、マンガの世界観を再現するフードやドリンク、オリジナルグッズ、書籍を販売している。ECサイトの「マンガ展ストア」を利用すれば、来店せずにグッズを購入することもできる。海外ユーザーが一定の割合を占めているため、今後は拡大余地の大きい海外展開に向けた準備も進める計画だ。
2022年3月期業績は、売上高51億2,900万円(前期比2.8%増)、経常利益は2億1,700万円(同20.4%減)を見込む。(NA)
概要
●事業内容=コミックの全巻売りECサイトの運営とマンガ・アニメ関連グッズ販売など各種マンガ事業
●本社=東京都千代田区飯田橋2-3-6
●代表者=安藤拓郎代表取締役社長
●設立=2005年7月
●上場前資本金=1億2,145万6,000円
●発行済み株式数=120万8,400株(上場時)
●筆頭株主=安藤拓郎(上場前 36.47%)
●公募株式数=5万株
●売出株式数=10万株(ほかにオーバーアロットメントで2万2,500株)
●仮条件=3月4日に決定
●ブックビル期間=3月7日から11日まで
●引受証券=SMBC日興(主幹事)、SBI、楽天、マネックス、岡三、いちよし、松井、岩井コスモ、東海東京
業績推移(単体)
売上高 | 経常利益 | 1株利益 | 配当 | |
2020.3 | 3,174 | ▼28 | ― | ― |
2021.3 | 4,991 | 273 | 628.85 | ― |
2022.3(予) | 5,129 | 217 | 228.43 | ― |
※単位100万円、1株利益は円、▼は赤字 |