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コラム2021年3月15日

相場の福の神 真の成長企業はコレだ! (第44回) パシフィックネット(3021・2部)

コロナ継続でも業績絶好調!! 下期は上方修正も

まいど!「相場の福の神」こと藤本誠之です。年間300社を超える上場企業のトップにインタビューを行っていますが、本連載では、その中から厳選した「真の成長企業」をご紹介していきます。

東京都港区芝に本社を置くパシフィックネット(3021・2部)は、法人のパソコンやタブレットなどIT機器の調達、通信、運用保守から使用済み機器のデータ消去、買取、再利用までをワンストップで提供する、いわゆるIT機器のライフサイクルマネジメントサービスを全国7拠点で展開している企業です。

フローからサブスクへ大変革

市場の変化に合わせて大きく事業構造の変革を推し進めています。過去は、東京・秋葉原、名古屋・大須、大阪・日本橋などに中古パソコンショップを運営していましたが、個人向けの店舗販売はコスト負担が重く、収益性が悪化。2年前にBtoC向けの小売り販売店舗を全店舗閉鎖しています。その店舗にいたパソコンに精通した人材を、法人向けパソコンのレンタル、サポートなどのBtoB向け月額課金ビジネス、いわゆるサブスクリプションモデルに振り向けるなど大きくかじを切りました。

結果、業績が急拡大。今まではPC販売や使用済みIT機器のリユースなど「フロー収益」が主体でしたが、IT機器の導入・運用管理・クラウド・セキュリティなど企業の情報システムを支援するITサービスを「サブスクリプション」モデルで提供する「ストック収益」が伸びています。

下期に上方修正の期待「大」

新型コロナ禍においてもテレワーク需要の増大などニーズを大きくとらえ、業績は絶好調です。2021年5月期第2四半期(20年6~11月、2Q)は、従業員に新型コロナ禍での収益拡大に報いる特別賞与を支払っていますが、売上高・営業利益ともに過去最高を更新しています。

2Qは通期計画に対する各利益の進捗率が7割を超えている状態ですが、新型コロナウイルス感染爆発や緊急事態宣言が長期化するリスクを考慮して通期計画を据え置いています。しかし、下期は過去最高だった上期を上回る見通しとしていることから、どこかで上方修正する可能性が高そうです。

(福の神ポイント) パシフィックネットはコロナショックに負けず4期連続の増益で最高益更新と業績絶好調です。今後もニューノーマルへの移行という時代の変化をチャンスにして大きな成長が期待できそうです。

藤本誠之(ふじもとのぶゆき)=ラジオNIKKEIなど各種メディアでおなじみの証券アナリスト。財産ネット企業調査部長。阪神タイガースファン。オールアバウト株式ガイド。

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