“中国特化&先手”戦略、海外投資家も注目
まいど!「相場の福の神」こと藤本誠之です。年間300社を超える上場企業のトップにインタビューを行っていますが、本連載では、その中から厳選した「真の成長企業」をご紹介していきます。
アクシージア(4936・東マ)は東京都新宿区西新宿に本社があるファブレスの化粧品メーカーです。アクシージア(AXXZIA)には『女性の染色体XX』を美の象徴とし、『アジア(ASIA→AZIA)の美』を日本から世界へ発信するとの想いを込めています。
中国人留学生が日本で起業
中国人の段卓社長が、中国の大学を卒業後、日本の沖縄の大学、大学院に進学し、大手上場企業にシステムエンジニアとして就職。その後に退社して、友人と一緒に池袋で始めた小さな美容サロンが月商1,000万円を超える大人気となり、関東を中心にエステティックサロンを展開するフェリークを2003年に設立して、代表取締役に就任。化粧品製造販売事業を取り扱うグループ会社としてアクシージアを2011年に設立しています。
現在はアクシージアが商品を企画した上で、製造は外部の日本企業に委託するファブレス企業ですが、今年2月に新規上場、その公募資金を活用して、新工場を作り、自社製造に着手する予定となっています。
“中国”需要を的確に取り込む
主力製品は、「アジアの美を日本から、世界へ発信する」、そんな想いを込めたスキンケアブランド「アクシージア」と、女神のような健やかで美しい美容ライフを応援するサプリメントブランド「ビーナスレシピ」です。販売の内訳は化粧品が6割、サプリメントが4割となっています。日本製、高品質イメージを持つ機能性の高い製品としてブランディングしており、化粧品が8,000円~1万2,000円、美容サプリメントが1万円~2万5,000円程度と高価格帯で展開しています。
特徴は販売先。68%が中国でのネット通販EC(電子商取引)で、18%が中国での対面販売と、中国での販売が8割超になっています。中国のスキンケア化粧品・美容サプリメントは、既に日本の2倍超の市場。ほぼ横ばいの日本と違い、いまだ急成長市場です。また、毎日使うスキンケア化粧品はEC販売が主力なので、同社の業績は新型コロナ禍による影響がほとんどないようです。
元々、国内販売でも中国からを中心としたインバウンド需要が多かったのですが、現在はほぼ消滅。しかし、銀座の中心部に建つ最大規模の商業施設に今年3月、新店舗を出店するなど、新型コロナ終息後のインバウンド需要復活に向けて着々と先手を打っています。
(福の神ポイント) 中国EC市場の爆発的な成長に伴い、アクシージアも年率3割超の高成長が期待できそうです。自社製造できれば利益率もアップし、変化の激しい中国市場向けに新製品投入もスピードアップするでしょう。
段社長に聞くと、香港・シンガポールの海外投資家とのワンオンワンミーティングを数多く行っているそうです。新規上場後の値動きの悪さを嫌気した個人投資家のろうばい売りで思わぬ安値水準となりましたが、外国人投資家がこの安値を買っているようで、既に25日移動平均線を突破しています。