ストック収益+新領域「地方創生」拡大に期待
まいど!「相場の福の神」こと藤本誠之です。年間300社を超える上場企業のトップにインタビューを行っていますが、本連載では、その中から厳選した「真の成長企業」をご紹介していきます。
フューチャーリンクネットワーク(9241・東マ)は、千葉県船橋市に本社を置く、地域情報プラットフォーム『まいぷれ』を運営している企業です。掲げるビジョンは、「地域活性化を継続的かつ発展的事業の形で実現することで、社会に貢献する」。『まいぷれ』を基盤に、「地域情報流通事業」「公共ソリューション事業」「マーケティング支援事業」の3事業を展開しています。
地域情報「プラットフォーム」運営
「地域情報流通事業」が手掛ける主軸の『まいぷれ』は、単なる情報サイトではなく「プラットフォーム」です。その地域ならではの「付加価値情報」を発掘する各地域に根差した人員を抱えていることと、彼らの情報を効率良く発信するためのインフラとして機能していることが大きな特徴です。「まいぷれ」に登録された情報は、紙媒体やSNS(交流サイト)、デジタルサイネージ、イベント、そして最近では地図アプリと連動してインターネット上で情報を表示させるGoogleマイビジネスなど、あらゆる手段を使って情報が拡散されるため、その地域の消費者に届く頻度が高く、効果的なメディアとなっているのです。
運営は直営とパートナー企業の2パターンがあり、足元ではパートナーが拡大中。今年9月1日現在、46都道府県764市区町村289サイトを有しています。
情報を掲載する店舗・中小企業から月額数千円を徴収するサブスクモデル。加えてパートナー企業からは初期の導入費用として数百万円、約1割程度のシステム利用料を徴収します。パートナー企業は154社。まずは1カ所から導入し、軌道に乗ると隣の市区町村にも広げる、といった具合にビジネスを拡大しています。
地方自治体など公共の課題解決も
「公共ソリューション事業」は、地域情報プラットフォーム「まいぷれ」を地方自治体や国を対象にして公共(Public)が抱える課題の解決のために活用する事業です。具体的には、ふるさと納税に関する様々な業務を一気通貫で請け負う「ふるさと納税受託」が主力サービスで、寄付額の約10%を受託費として請け負います。
「マーケティング支援事業」では、特定の商圏や地域に直接情報を発信したい企業や地域事業者に対して、地域情報流通プラットフォーム「まいぷれ」を活用、マーケティングを支援する事業です。大手ドラッグストアチェーン企業などからの受託が多いそうです。
今期の積極投資で“さらに飛躍”
10月14日に前8月期の決算と今期予想を発表、2022年8月期の売上高は前期比13.5%増と堅実な事業成長を見込んでいます。が、中期的な成長加速のため、プラットフォーム開発への人材投資・新サービス拡販やパートナー拡大への広告投資を強化、これにより営業利益は横ばいを想定しています。
(福の神ポイント) フューチャーリンクネットワークの最大の強みは、地域情報の「ラストワンマイル」企業であり、これをパートナー企業に提供するプラットフォーム事業であること。プラットフォーム・ビジネスは着実な利益率の上昇が期待できます。加えて地方自治体を支援する公共ソリューション事業にも横展開することで「地方創生」という新たな展開につながり、さらに大きく成長する可能性がありそうです。
利益横ばいを計画する決算発表で株価が大きく下落した今こそ、絶好の押し目買いのタイミングになりそうです。