中小企業IT・DX化、直販部隊が掘り起こし
トナーカートリッジ再生の“トップ”
ケイティケイ(3035・JQ)は名古屋市東区に本社がある、プリンターのトナーカートリッジ再生販売を主力とするニッチトップ企業です。
使用済みのトナーカートリッジに、トナーを再充填して販売しています。新品の7割程度の価格であることと、新品を使うよりも二酸化炭素排出量が減少することから、価格に厳しい企業と、特にSDGs(持続可能な開発目標)に積極的な企業を中心に販売しています。
トナーカートリッジの再生販売は数多くの参入企業がありましたが、寡占化が進んでおり、現在は数社程度。ケイティケイはトップシェアを持つ、ニッチトップ企業です。
ペーパーレスやテレワークの拡大でオフィスのプリンター需要は頭打ちですが、サステナブル、循環型社会へ貢献する製品としてシェアを拡大、これにより安定的な収益は維持できそうです。
いわゆるキャッシュカウのビジネスであるところもポイントです。トナーカートリッジの再生販売は、全国の拠点から自社で対応。グループで約1万5千件の、中小企業の顧客を保有しています。
直販部隊がニーズをいち早くキャッチ
今後、大きく伸びそうなのがITソリューション商品の拡販です。既にトナーカートリッジの再生販売で保有している、ITシステム部門を持たないような中小企業をターゲットに、多くの脅威にさらされているネットワークを守るため、顧客企業それぞれの環境に最適なセキュリティ対策ソフト、あるいはWEB会議など次世代コミュニケーションを実現するツールなどを販売しています。顧客企業に商品を直接販売している営業部隊を持っているからこそ、その企業が望む様々な製品が提供できています。
直近では新型コロナ禍があったため、アクリル板や消毒液などの環境衛生商品の販売が好調でした。このように顧客のニーズを素早く把握して販売できるのがケイティケイの大きな強みとなっています。
(福の神ポイント) SDGsに貢献するリサイクル製品によって安定的な収益基盤を確保したうえに、既に自社の顧客基盤の中にいる企業へのIT・DX(デジタルトランスフォーメーション)化を支援する「ITソリューション」で爆発的な成長を狙っています。
株価指標面は、予想PERは約7倍、PBRも約0.7倍と割安水準です。予想配当利回りも3%超と魅力的な水準なので、じっくりと中・長期投資で狙いたい企業です。