TOP  NSJアップデート  コラム  相場の福の神 真の成長企業はコレだ! (第69回) ベルテクスコーポレーション(5290・S)
コラム2022年4月18日

相場の福の神 真の成長企業はコレだ! (第69回) ベルテクスコーポレーション(5290・S)

総合力結集 業界随一の高収益

まいど!「相場の福の神」こと藤本誠之です。年間300社を超える上場企業のトップにインタビューを行っていますが、本連載では、その中から厳選した「真の成長企業」をご紹介していきます。

コンクリート関連ビジネス

東京都千代田区麹町の上智大学のすぐ近くに本社があります。上場企業2社と未上場企業2社が経営統合した浸水対策製品をはじめとするコンクリート事業を中心に、落石・土砂防護柵の防災事業、建築基礎杭のパイル事業などを運営している企業です。

上場企業2社と未上場企業2社が経営統合

経営統合前の4社は、過当競争で利益率も低い会社ばかりでしたが、コンクリート製品は重く、大きなモノが大きいので、消費地に近い所に製造拠点を持つことが重要です。4社が経営統合したことにより、全国に製造拠点を持ち、競争力がUPしています。また、売上高増にはこだわらず、価格競争の厳しい汎用製品に関しては徐々に撤退、4社の技術開発力を統合して産み出された高い利益率の見込める自社製品を拡販することによって、今期予想で売上高経常利益率が14.6%と業界でも随一の高い収益率を誇っています。

自社製品

最近、100年に一度の水害が頻発していますが、その水害への解決策が、川の水を一時的にためる遊水池です。ベルテクスコーポレーションは、「雨水地下貯留施設プレキャスト遊水池」を独自開発しました。今までの遊水池では、その場でコンクリートを固めるので、工期が長くなっていたのですが、コンクリート製のパーツをブロックのようにはめ込むことによって、遊水池が完成するので、圧倒的な短工期が実現でき、大きなシェアを獲得しています。

さらなるM&A・東証プライム

4社が経営統合した会社ですが、業界ではまだ多くの企業があり、特に後継者問題に悩む企業を中心に、さらなるM&Aで企業拡大を図っていく予定です。

現在、東証スタンダードに上場していますが、東証プライム市場の上場基準はクリアしており、近い将来の東証プライムへの市場替えが期待できます。

(福の神ポイント) ベルテクスコーポレーションは、4社の知恵と技術・総合力を結集して、独自技術の自社オリジナル製品を、研究開発、製造、販売することによって、業界随一の高い利益率を誇る成長企業です。

災害が多く、社会インフラが老朽化した日本では、今後、浸水対策などの防災関連事業が安定的な成長が期待できます。

株価指標面からは、予想PER約7倍、実績PBR約1倍、予想配当利回り約2.7%と割安感のある水準です。将来の東証プライム市場への市場替えを期待して、じっくりと、中・長期投資がおススメの注目銘柄になります。

藤本誠之(ふじもとのぶゆき)=ラジオNIKKEIなど各種メディアでおなじみの証券アナリスト。財産ネット企業調査部長。阪神タイガースファン。オールアバウト株式ガイド。

関連記事