今年の3月21日は、天が万物の罪を許し大安よりも縁起の良い日とされる「天赦日(てんしゃにち、てんしゃび)」、一粒の籾(もみ)が万倍にも実る稲穂になる、という意味を持ち何かを始めるのに最適な日とされる「一粒万倍日」、さらに金運に縁があると言われる「寅の日」、運気が切り替わる「春分の日」が重なる今年最強の開運日と言われています。

ここ数年で耳にする回数が圧倒的に増えた各開運日。今年の開運日は買い替えや、使い始めに縁起が良い日と各メディアでも取り上げられ、かくいう私もイタリア発のバッグ・革製品ブランドからの『【今年一番の最強開運日】春財布で幸運を引き寄せよう!』という件名のメールでその日を認識しました。

実際に調べてみると、西武池袋本店(西武HD、9024・P)では2021年の同開運日に平年平日の財布売り上げの約4倍を記録。そごう・西武の全店計でも、婦人雑貨売り場の財布売り上げは平均の約3倍を記録しており、今年も西武池袋本店では『3月21日は最強開運日!～春財布&アクセサリーフェア～』が開催されています。さらに昨年の開運日に通常の約7倍の売り上げを記録した近鉄百貨店(8244・S)では、あべのハルカス近鉄本店にて開運日にちなんだイベントを初開催し、各階では縁起の良い商品の展開を強化しています。

せっかくだからと私も財布をEC(電子商取引)サイトで新調。その話をすると、友人も14日に発売されたiPhone 14の新色「イエロー」を21日に間に合うように購入し、電子マネーアプリが入っているとのことで開運日に使い始めると鼻息荒く報告してくれました。

江戸時代に平賀源内が、夏に売り上げの落ちるうなぎのマーケティングとして、「土用の丑(うし)の日」を打ち出し、長きにわたり売り上げを上げ続けているように、開運日ビジネスは今後様々な業界に恩恵を授けるのか、今年の各百貨店の売り上げとともに注目しています。