TOP  NSJアップデート  インタビュー  イワキ 代表取締役社長 藤中茂×株式評論家 木村佳子氏(後編)
インタビュー2021年4月1日

イワキ 代表取締役社長 藤中茂×株式評論家 木村佳子氏(後編)

2025年3月期に連結売上高400億円

自動車向けは将来性に大きな期待

イワキ(6237)の代表取締役社長の藤中茂氏と株式評論家の木村佳子氏による対談内容を前編(3月26日付掲載)に続いて紹介する。ケミカルポンプというニッチな業界でシェアを獲得する同社は、これまで強固な事業基盤と堅実な経営で着実に成長の道を歩んできた。後編では主に海外展開や中長期の成長戦略が語られている。

――海外展開について聞きたい。製品は日本から輸出しているのか、現地で生産しているのか。

「基本的には国内で生産し輸出している。主に中~大型製品は埼玉工場(埼玉県狭山市)、小型製品は三春工場(福島県三春町)で生産している。海外でも、ドイツ、米国、中国、台湾、オーストラリアの5カ国でノックダウン生産を行っている。これは日本から主要部品を送り込み、組み立てを現地で行うというもの。海外売上高比率は現状40%程度。15カ国21社のグループ会社で、ワールドワイドな販売・サービス網を構築している」

――最近海外で名誉な賞を受賞されたようであるが。
「当社の子会社であるイワキアメリカが昨年、水処理を専門とする企業を代表する国際的な業界団体AWTの『年間サプライヤー賞』を受賞した。毎年1社だけに与えられる大変に名誉な賞だと聞く。高品質な新製品の提供ときめ細やかなサポートを行うサービス力が評価された。同社開発の水処理コントローラは、インターネットにつないで離れた現場にあるポンプを遠隔操作することが可能。特に昨今のコロナ禍の状況では遠隔操作のニーズが高まっている」

――今後の成長戦略や株主還元策は。
「2015年に長期ビジョンとして『イワキグループ10年ビジョン』を打ち出した。最終年度の25年3月期までに連結売上高を400億円(国内200億円、海外200億円)、売上高営業利益率を10%にすることを定量目標としている。株主還元策は上場来配当性向30%以上とする方針を掲げ、着実に実行してきている」

――4年後をイメージした時、御社としてはどんな製品が活躍していそうか。そのころには電気自動車の普及などが期待されている。
「自動車業界は非常にすそ野が広い。その中で当社が関連するものとしては半導体をはじめ車載用二次電池、電子部品、プリント基板などが挙げられる。当社のポンプはそれらの製造工程に使われている。今後自動車業界において、自動車に搭載されるそれら部品の需要が増えれば、当社にとってもビジネスチャンスである」

銘柄情報

企業名:イワキ
事業概要:ケミカルポンプをはじめとする各種流体制御機器の開発・生産・販売

参考指標(3月31日現在)

株価:903円
PER:12.94倍
PBR:0.93倍
配当利回り:2.33%