TOP  NSJアップデート  インタビュー  <特別対談> 経済アナリスト 馬渕磨理子氏×Macbee Planet 千葉知裕取締役
インタビュー2021年7月1日

<特別対談> 経済アナリスト 馬渕磨理子氏×Macbee Planet 千葉知裕取締役

検証/利益2倍増「成長トレンド」は続くのか?

昨年3月にIPO(新規上場)したMacbee Planet(7095・東マ)の株価は上昇トレンドを継続中。6月30日終値で8,100円と、初値2,348円から約3.5倍の位置にある。もちろん業績も絶好調。前4月期は売上高1.5倍、営業利益2倍で着地したことを先ごろ発表している。“爆発的な成長力”は本物なのか? 千葉知裕取締役に、経済アナリストの馬渕磨理子氏が聞く。

――まずは事業内容から。
データを活用したマーケティング分析サービスを提供している。具体的には、新規ユーザーの獲得の支援と、既存ユーザーの解約防止という2つの領域について、成果報酬で対応している。

当社が目指すのは「LTVを予測してROIの最適化を実現する」。LTV(Life Time Value)とは、消費者が生涯をかけて企業にもたらす利益のこと。データとテクノロジーを駆使してLTVを予測することで、クライアント企業のROI(Return On Investment、投資利益率)を最適化する。

――「予測」というと、例えば、私がこのサイトを開いたときには、この商品を買います、といったことが分かると?
その通り。ただし当社が「個人」情報を持っているわけではなく、クライアント企業から必要な部分だけを入手し「ユーザー群」として予測をかけている。

――事業について、詳しく。
アナリティクスコンサルティング(AC)事業と、マーケティングテクノロジー(MT)事業がある。AC事業では、データを解析して構築した独自のLTV予測モデルを使い、当社のコンサルティングがクライアント企業と対話しながら新規ユーザーの獲得を支援する。MT事業では大きく2つ「ウェブ接客」と「解約防止チャットボット」というツールを提供している。

――クライアント企業の「新規顧客の獲得から接客まで」と「解約」をサポートしていて、売上高については新規獲得の部分、AC事業が8割を占めている。
もともとAC事業から始まり、そこで培ったLTV予測の能力を生かしてMT事業を積み上げている、という状況。MT事業はまだまだ伸ばせる。ちなみにMT事業は粗利100%。自社プロダクトを活用してクライアントにサービスを提供しているため外注費が発生しない。

――「成果報酬」は大きな特徴だ。広告は「売り切り」が多い。
クライアント企業の売り上げに直結するサービスを指向した結果だ。かつて当社代表の小嶋がマス向け広告の支援を手掛けていたとき、知名度は上がるものの売り上げにつながらないケースを非常に多く見てきた。中には倒産してしまった企業もあったと聞く。

――先ごろ発表した決算、非常に良かった。
前2021年4月期は売上高97億7,900万円(前々期比51%増)、営業利益は7億8,500万円(同2倍)だった。コロナ禍でマーケティング、中でも当社が重視するLTVの重要性が注目を浴びたことが大きい。これまでのように「単に売ればいい」から「継続して使ってもらう」に意識が変わってきている。

――好調は今期も続くのか?
22年4月期は売上高を22%増の120億円、営業利益を27%増の10億円と計画している。LTV予測の精度を上げることで、まずはAC事業における既存クライアントのアップセルと、新規クライアントの獲得を期待している。精度向上については技術の自社開発はもちろんだが、資本業務提携やM&Aなどで他社が保有する技術を取得することも視野に入れている。

「一気通貫」提供の実現にも注力する。現在は「新規顧客の獲得・接客」と「解約」でサービスを展開しているが、認知・訪問に始まり、解約・退会後までのデータを一気通貫で取得できる体制を整えることで、独自のLTV予測モデルをさらに強固なものにする。

対談の様子は動画でもご視聴いただけます
https://www.nsjournal.jp/nsj_library/macbee_planet-7095/