シナネンホールディングス(8132)が1月29日に開示した2021年3月期の第3四半期(3Q、20年4~12月)決算は、売上高1,389億6,900万円(前年同期比11.8%減)、営業利益16億1,500万円(同4.7倍)と減収ながら大幅な営業増益だった。週明け2月1日の株価は反発。
通期の業績予想は売上高2,260億円(前期比4.7%減)、営業利益22億円(同10.4%減)を据え置いた。
原油とプロパン価格は新型コロナウイルスの影響で昨年3月から4月にかけて大きく下落した後は回復基調。特にプロパン価格は前年並みの水準に戻っている。
そうした環境下、消費者向けのエネルギー卸・小売り周辺事業は、主力の「LPガス・灯油販売」がコロナ禍で飲食店向けLPガス需要が減るなど、販売数量は低調に推移。一方、利益面は東日本エリアを中心に差益が改善した。
法人向けのエネルギーソリューション事業は、寒波到来による需要増で前年同期を上回る販売数量を確保した。強みを持つ灯油に加え、軽油販売にも注力している。利益面は原油市況の変化に対応した仕入れ施策を行い、計画以上の収益を上げた。また、11月に環境保全プロジェクトを開始し、脱炭素社会を見据えた取り組みも行っている。
非エネルギーおよび海外事業は、自転車事業子会社の販売が順調で、抗菌事業の子会社も、北米のマスク向け抗菌剤の受注が大幅に拡大した。