テクノフレックス(3449)が12月10日、東証2部に新規上場する。
金属製の継手の製造・販売を行う管継手事業が売上高の61%(2018年12月期)を占めるほか、管継手関連事業、金属塑性(そせい)加工事業、介護事業を展開している。
継手は配管においてパイプとパイプを接続する場合などに用いられる部品。製品はフレキシブル継手、伸縮管継手、真空機器に大別される。フレキシブル継手は建設設備・プラント設備配管用などに使用される。製品は蛇腹状になっており、伸縮したり曲がったりすることで耐震・振動吸収・配管工事の作業工数削減の効果がある。伸縮管継手は主にプラントなどの配管で使用され、耐震・振動吸収・温度変化による配管の伸縮を吸収する効果がある。真空機器は半導体分野の真空配管設備に用いられるフレキシブル継手と接続金具で、同社ではこれの製造販売に加え、真空配管工事などを行っている。
管継手関連事業は、消防設備の設計・施工・管理を行う。スプリンクラー工事をはじめ、泡消火・連結送水管、消火設備などの消防施設工事を請け負っている。オフィスビル、高層マンション、大型ショッピングセンター、病院などにおいて数多くの施工実績を持つ。また、災害などの断水時に120リットルの飲料水・生活水が確保できる貯水機能付給水管「マルチアクア」の製造・販売を行っている。さらに、水道管および電柱の切断装置の製造・販売を行っている。エンドユーザーは水道管用は水道および土木工事事業者、電柱用は通信建設および電力工事事業者が中心。
金属塑性加工事業は、機械的圧力により金属を変形させ、力を取り除いた後も変形が残る性質を利用して加工するもの。主な製品は大手完成車メーカーの一次部品メーカー向け部品。自動車部品以外では、産業用大型ロボットアーム用の駆動シャフトなどを加工・販売している。
介護事業は、福祉用具のレンタル・販売、介護用住宅改修(バリアフリー化・手すりの取り付けなど)、介護用マットレスの洗浄などを中心に事業を展開している。
2019年12月期は前期に比べて3.2%減収、10.2%経常減益の予想。管継手事業は建設関連の需要および企業の設備投資は好調ながら、真空機器は半導体装置メーカーからの受注回復が見込めず、管継手事業の売上高は同7.6%減の予想。
中期的にはフレキシブル継手の世界展開を視野に入れた戦略を検討。海外生産拠点機能の天津工場(中国)からベトナム工場への移管を図る。上場に際して調達した資金は全額をベトナム子会社の投融資に充当する予定。
概要
●事業内容=金属製管継手および周辺部材の製造・販売、ならびに配管工事と介護事業
●本社=東京都台東区蔵前1-5-1
●代表者=前島岳代表取締役社長兼社長執行役員
●設立=2001年10月
●上場前資本金=10億円
●発行済み株式数=2,136万株(上場時)
●筆頭株主=ティーエムアセット(上場前59.02%)
●公募株式数=20万株
●売出株式数=215万株(ほかにオーバーアロットメントによる売出が35万株)
●仮条件=11月22日に決定
●ブックビル期間=11月25日から29日まで
●引受証券=大和(主幹事)、野村、三菱UFJモルガン・スタンレー、みずほ、SMBC日興
業績推移(連結)
売上高 | 経常利益 | 1株利益 | 配当 | |
2017.12 | 18,692 | 2,493 | 99.58 | 30 |
2018.12 | 19,858 | 2,721 | 74.34 | 26 |
2019.12(予) | 19,216 | 2,444 | 94.02 | 38 |
※単位100万円、1株利益は円 |