アイビーシー(3920・S)は「IT障害をゼロにする」をミッションに掲げるITシステム性能監視のパイオニア。前9月期は大幅増益を記録し、今期も売上高24億円(前期比9.9%増)、営業利益4億5,000万円(同17.7%増)と2期連続の最高益更新を見込む。加藤裕之代表取締役社長(CEO)に話を聞いた。
――創業のきっかけは。
当社を設立した2002年ごろは各通信事業がインターネットを家庭に浸透させるため、懸命に広告や宣伝をしていた時代。私はインターネットが企業活動の基盤に必ずなっていくと考え、インターネットを中心にネットワークを安心・安全に利用するために、絶えず状況を把握し、障害を検知する製品開発ができれば必ず世の中に貢献できると思い創業した。
ちなみに、社名のアイビーシーは「インターネットワーキング&ブロードバンド・コンサルティング」の頭文字。
――現在のビジネス状況は。
当社主力商品はネットワークを中心に運用監視を行うソフトウエア「System Answerシリーズ」である。この製品は東京証券取引所、JR東日本をはじめとして大学・病院・公共機関・企業と大手のお客さまを中心に1,000社以上に採用されている。
売り上げ、営業利益は伸長しており、今年度も増収・増益・増配を計画している。
――アイビーシーの強みは。
製品面で言うと、他社にはない障害を起こさせないための将来予測機能やお客さまのIT機器の状況を1分間隔で収集分析することが強みであり、様々なメーカーの製品・機器・ソフトウエア・マルチクラウドを可視化できる国産唯一の製品であり、お客さまに大変評価されている。また、開発に携わる技術者は定期的にお客さまの声を聞き、ニーズに合った開発を行っていることも強み。
来期以降、さらにこの強みを生かしていき、開発に注力していきたいと考えている。
――社会貢献活動として障がい者の活躍推進にも力を入れている。
社員には、われわれは社会の一員として企業活動を営んでいることを体感させるために、社会貢献活動として、NPO法人「Alon Alon」へのサポートも参加させている。「Alon Alon」とは、障がいのある方々が胡蝶蘭の栽培を通して自立・企業への就労機会を支持している団体。
当社は2年前から胡蝶蘭の販売協力を行っているほか、マンゴー栽培のための資金投資も行った。障がい者の活躍推進に対して何か手を差し伸べる、そういうことをずっとやりたいと思っていた。大手企業ができてベンチャーができないということはない。楽しそうに働く姿を見て、大変うれしく思っている。
――今後の成長戦略は。
世の中のITはクラウド・AIを中心に今後も成長が見込まれるが、われわれも22年続けてきたIT運用経験の知見をAIに学習させ、クラウドサービス上に展開していく。
――株主・投資家へのメッセージを。
当社は株主様への利益還元を最優先事項とし、今年度より累進配当を実施していく。今後とも持続的な利益成長により、株主の皆さまへの利益還元を充実させていく。(SS)