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インタビュー2023年8月3日

トップインタビュー ランドネット 榮章博氏に聞く

不動産DXで急成長、国内首位目指す

上場して満2年のランドネット(2991・S)。この間、売上高、営業利益ともに2ケタ成長で、過去最高業績が続く。DX(デジタルトランスフォーメーション)と、物件の仕入れ、売買、賃貸管理、リフォームまでワンストップで不動産投資をサポートすることが強み。榮章博代表取締役社長に話を聞いた。

――創業からの沿革を。
「大手不動産流通会社に勤めていて、営業、システム回り、上場準備全部経験した。1995年にウィンドウズ95が発売され、『これで一人でできる』と独立。最初から不動産DXに取り組もうと、最初の1カ月はずっと一人でプログラムを開発した。コードを書いたことは無かったが、楽しくてしょうがなかった。同時に営業、法律と全部やった」

「ブレイクスルーとして、登記簿謄本がネットで取得できるようになったこと、グーグルストリートビューで現地に行かなくても雰囲気が分かるようになったこと、交渉履歴を自動入力しデータ共有できるようになったことがある。この3点で日本中の不動産を扱えるようになった」

「2010年に社員が大量離職し、自分の指導法に悩んだ。その時、稲森和夫さんの盛和塾に入塾し、全員経営、みんなで解決するという発想が分かり、当社の経営の骨幹になった。離職も少なくなった」

――事業対象の投資用不動産は。
「今まではワンルームや築古のファミリーマンションから入った。区分マンションは築浅ファミリータイプまで拡大している。次は戸建て、アパート、その次は1棟のビル、マンションを行っていく。例えば本社から池袋の街が見える。この全部が対象となり、市場は無限にある。それを一歩一歩やっていく」

――DXが御社の特色というが。
「データベースによって、どんな物件でも、取引事例が即座に分かる。お客さまとの会話も分かるし、どこの場所でもぜんぶ分かる。その上でお客さまと話すので、当然直仕入れ力は高くなり、良い物件が集まる。販売に関していうと、契約不適合責任を法律では2年だが、マンションに関して3年負っている。古い物件についてもちゃんとお客さまに買っていただき、売り主の責任を当社で負う。築浅の物件だけでなく、全部の物件を手掛けたいためだ」

「新人の営業が入ってきてRCP(自社開発の独自システム、リアル・エステート・クラウド・プラットフォーム)を見ると、物件がいくらで売れるか、どう交渉すれば良いか分かる。人を育てるペースが速く、他社と競合した場合もすぐに結論が出る。誰も知らない情報もたくさんある」

――中長期的な成長イメージとして、個人投資家向け販売を強化するとのことだが。
「投資家が物件を買うにあたって有利なローンを使えるようにしている。もう一つ、ワンルームだけでなく、ファミリータイプの賃貸中の投資物件を拡大しており、その方法としてクラウドファンディングも考えている。クラウドファンディングは年明け早々にできると考えている。今扱っているのはワンルームが60%、ファミリーが40%だが、粗利だと逆転する」

――中期的にグローバル不動産テックカンパニーを目指すそうだが。
「アメリカの不動産を投資用不動産として日本に紹介する仕事をやりたい。まだ、構想の段階で1年後ぐらいの話。インドもやりたいと思っている。でも、その前にやるべきことは山ほどある」

――個人投資家へのメッセージを。
「日本全国にあるマンション、戸建て、アパートを当社のように買って、リフォームして、ローンを付けて販売する市場は1兆円、2兆円にいってもおかしくない。当社は国内不動産流通市場の販売首位になることを目標としており、今7月期は売上高600億円を計画。その後、早いタイミングで1,000億円、2,000億円いくと思っている。やがてはプライム市場に上場したい」