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インタビュー2021年3月2日

トップインタビュー TDSE 東垣直樹代表取締役社長に聞く データが持つ価値を最大化

“フロー”と“ストック”2軸で再成長へ

テクノスデータサイエンス・エンジニアリング(TDSE、7046・東マ)はビッグデータ・AI活用に関する専門技術を核に、企業の経営課題の解決や新製品・新サービス開発を支援している。昨年6月に新社長に就任した東垣直樹氏(写真)に抱負を聞いた。

――まずは社長交代の背景について。

「TDSEはもともとAIサービス市場の分析サービス領域に集中していたところから構築サービスへと領域を広げ、『AIを中心とした統合型ソリューション企業』へ進化する過程にある。新しい時代にマッチした事業展開を行うには経営のスピードアップが必要。経営トップの若返りを図り、迅速な意思決定を可能にする体制づくりを行う狙いがあった」

――今後の成長の方向性は。

「データが持つ価値をどのように世の中に生かしていくかがポイント。他国に先んじて少子高齢化・人口減少が進む日本は“課題先進国”と呼ばれるように、様々な社会課題が顕在化している。昨今はDX(デジタルトランスフォーメーション)が叫ばれるようになって久しいが、根本的にはあらゆる事象を数値化した『データ』を読み取りながら、課題解決や効率化に向けたアクションを作っていくことが重要と考えている」

「具体的には、AIノウハウを軸としたコンサルティングサービス(フロー型)と、AI製品を活用したサブスクリプションサービス(ストック型)の両軸の経営を推進する。オーダーメイド型のコンサルティングサービスを提供する中で実際の顧客の課題やニーズを吸い上げながら、これらの解決手段を汎用化したサービスとして世の中に提供する『価値循環サイクル』を構築していく。当社の顧客は大企業が多いが、汎用化したサービスは中小企業などにも広く展開する考え。コンサルティングサービスで一定の利益基盤を維持しながら、将来的にはストックビジネスがフロービジネスを上回る収益構造を目指したい」

――従来はレンジ形式で開示していた2021年3月期の業績予想を修正した。

「通期の業績予想は売上高13億2,000万円(前期比4.1%減)、営業利益3,800万円(同69.8%減)の見通し。当社は売上高の大半を既存顧客が占めており、コロナ禍で一部案件の規模縮小や新規取り組みなどの先送りが発生したことが業績に影響した。一方で、フロービジネスでは新規顧客の獲得が進んだほか、ストックビジネスが堅調に伸びた。足元では顧客のマインドも徐々に回復している」

「目先ではストックビジネスにおけるサービス作りに力を入れる。サービスはこれまでの実績をもとに、ある程度業種に特化して立ち上げる形になる。例えば当社は金融領域の中でも保険会社のノウハウ・知見が豊富。業界で共通化できそうな業務領域を把握しているため、サービス化もしやすい」

――最後に、投資家の皆さまへ一言お願いします。

「上場以降、売上高は13億円規模と横ばいが続いているが、ここから再び成長軌道へ回帰することを目指す。当社の成長余地はまだ大きい。株式市場においても、いま一度AI関連企業として存在感を発揮していければと考えている。ぜひご支援いただければ嬉しい」