「広島IRセッション」開催 ~個人投資家約350名を本社に招待、地元企業を盛り立てる~
春の訪れとともにようやく社会経済の活性化が本格化し、株式市場でも「リアル」な動きが目立ち始めている。1878年創業の広島銀行を傘下に持つひろぎんホールディングスは3月4日、本社でリアルイベント「広島IRセッション」を開催した。
イベントでは地元企業の社長による会社紹介プレゼン、株主優待生活でおなじみ桐谷広人氏の講演会に加えて、旬の食材など地元の特産品が試食・購入できるマルシェ、マツダスタジアムの打席に立ち広島東洋カープのピッチャーの投球が体感できるVR(仮想現実)ゲームなどが用意された。本稿では会社紹介プレゼンの内容を抜粋して紹介する。ちなみに桐谷氏の出身地は広島・竹原市とのことだ。
「米国工場フル稼働&顧客拡大、海外売上高2倍へ」ダイキョーニシカワ(4246・P) 代表取締役社長 内田 成明 氏
東広島市に本社を置く当社は主に自動車樹脂部品の開発・設計から製造までと、モノづくり全ての工程を社内に持つ。
主要顧客はマツダ。しかし国内全ての乗用車メーカーと取引はあり、そして今後は米国の新工場DNUS(DaikyoNishikawa USA,Inc.)、マツダとトヨタが新設したアラバマ工場に隣接する当社工場が成長ドライバーとなって海外売上高、そして戦略OEM(マツダ以外の顧客)売上高を拡大させていく。海外については2017年3月期を100とすると、24年までの7年間で2.8倍に、戦略OEMについては2倍を目指す。
自動車業界は半導体不足などで苦しい環境が続いたが、足元ではEV(電気自動車)向けやカーボンニュートラル対応といった新たな需要が拡大。当社では植物由来の原料を積極的に活用したり、塗装レスを実現するなど環境面にも配慮した商品を展開しながらこれに対応していく。
「地元4県ポテンシャル最大化、非金融も積極的」ひろぎんホールディングス(7337・P) 代表取締役社長 部谷 俊雄 氏
本社を置く広島県と、隣接する岡山県、山口県、愛媛県を基盤とする当行。「地元4県」は人口が約742万人、事業所数が約34万カ所と、いずれも愛知県と同等。GDP約31兆円は神奈川県に匹敵するなど、都市圏と同等の経済規模を有している。
地元4県のポテンシャルを活かす地域活性化こそが当行の成長の源泉。広島駅前や広島市民球場跡地といった大規模再開発に携わることはもちろんのこと、近年は、国際会議場も兼ねる大型ホテルの運営にヒルトンを誘致したり、広島空港民営化事業において運営会社への出資を決めるなど、とりわけ法人向けの活動の幅が広がっている。あるいは人材紹介・派遣を行ったりITコンサルからシステム構築まで手掛けるなど非金融分野での対応にも積極的だ。
結果、事業ポートフォリオが大きく転換。持株会社に移行する直前の19年度は「お客さまソリューション」に関わる収益が126億円、そのうち銀行「以外」のソリューション営業に係る収益は14%だったが、21年度は148億円・24%にまで拡大している。広島銀行をメインバンクとする社数は22年3月期末で1万7,604社、県内はシェア39.53%と、いずれも前年から増加。地元の皆さまからのご評価の現れだと感じている。
「新工場稼働で旺盛なインバウンド需要に対応」ドリームベッド(7791・S) 代表取締役社長 小出 克己 氏
22年3月期の売上高は94億5,200万円。商品別に見るとマットレスとベッドフレームが76.9%を占め、11.7%がソファ、6.0%が寝装品。販売経路別では家具販売店向けが79%、ホテルなど商業施設向けが9%、(自社)ショップ・ショールームが8%、ハウスメーカー向けが3%となっている。ちなみに商業施設向けはコロナ禍で落ち込んだが、それ以前は20%程度あり最近は回復傾向にある。
米国ナンバーワンといわれるSerta(サータ)など海外ブランドとはライセンス契約を締結し、当社工場で製造・販売している。強みは、コイルの太さや形、配列方法などを組み合わせた「高い独自技術」と、受注から納品まで平均1週間程度の「短納期」。足元では昨年10月に開業したヒルトン広島などプレミアムホテルによる特注品が拡大している。そして今年1月から新工場の一部が稼働開始。次期工事が12月に終了して来年1月の本格稼働からは生産能力が1.3倍に増加。まだまだ旺盛なホテル向け需要に対応していく。