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銘柄・相場情報2024年8月29日

企業研究 ROBOT PAYMENT(4374・G) 伸び盛り「サブスク」関連の出遅れ

主力商品の値上げなど「下期上振れ」を期待

先ごろ今12月期第2四半期決算(1~6月・2Q)と同時に、通期予想の引き上げを発表したROBOT PAYMENT。それでもなお2Q時点の業績進捗率は営業利益で58%に達しており、さらなる上振れが期待される。そんな同社について深掘りしてみたい。

【事業内容】 決済「プラスα」機能を開発・提供

消費者がモノ・コト・コンテンツを消費した対価を、企業が回収するための「決済」に関するサービスを開発・提供している。

プロダクト(商品)は大きく2つある。「サブスクペイ」は、個人あるいは法人が運営するショッピングサイトの決済フォームや決済システムなどを提供し、「請求管理ロボ」では、企業に発生する毎月の請求書発行から集金、債権管理までのお金にまつわる作業を自動化している。

事業としては、「サブスクペイ」を含む「ペイメント事業」と、「請求管理ロボ」を含む「フィナンシャルクラウド事業」の2つを展開しており、売上高の比率は6対4となっている。

主力商品①「サブスクペイ」
楽天市場やアマゾンなどのショッピングサイトで買い物をするときに不可欠な「フォーム」などを用意している。例えば扇風機を購入するとき。まずは画面上で個数をチェックして、名前や住所などの情報を入力し、さらには銀行振り込みまたは口座引き落としなどの決済方法を選択する。クレジットカードを利用する場合には16ケタの番号を入力し、注文が終わると完了メールが送られてくる――といった一連の作業に加えて、「サブスクペイ」では、販売会社の代わりに口座へ引き落としをかけたり、クレジットカード会社に課金を行うまでをカバーしている。

名前の通り「サブスク」も大きな強み。フィットネスジムや新聞など毎月あるいは毎年、継続して課金をする中で、初回3カ月間だけ半額などのキャンペーンを容易に組み合わせることができる。

主力商品②「請求管理ロボ」
請求書に正しい金額が記載されているか、それが期日内に支払われているかなど、「請求書」を起点としたお金のやりとりを一気通貫して自動化する。目視では負えなくなったタイミングでの導入が多く、利用企業は成長ステージにいることも特徴だ。

一般的に企業は成長領域には人も資金も投入するが、請求などバックオフィスは最小限にとどめたいと考えており、「請求管理ロボ」は、このような企業にとって省人化・業務効率化の具体策にもなっている。

【収益構造】 超安定の二重構造

「サブスクペイ」と「請求管理ロボ」はいずれも、いわゆる「リカーリング収益」が売上高の97~98%を占める。システム利用料など、契約が続く限り積み上がる収益のことで、新規に顧客を獲得するほど、同社の収益は地層のように永続的に積み重なっていく。

加えて同社のプロダクトには固定費のみならず「従量費」も設定されている。機能付加、そして顧客自身の事業成長にも比例して顧客単価は向上していく。同社プロダクトの解約率は月0.5%程度あるが、結果、これを相殺してもあり余る収益成長を達成している。

【直近業績と株主還元】

2023年12月期は売上高が22億1,300万円(前期比27.9%増)、営業利益は5,800万円の赤字から2億2,900万円の黒字に転じるなど、いずれも過去最高を更新した(※)。その一部を株主に還元するべく、今期より配当を開始する。1株当たり10円からのスタートで、配当性向は15%程度をめどにはしているが、会社側は「まずは連続増配を目指す」としている。

7月1日には「サブスクペイ」「請求管理ロボ」ともに値上げを発表している。会社側によれば、「既存利用者を含めたサービス向上のためにもさらなる開発投資は必須であり、決断した」(取締役CFO久野聡太氏)。「決済という当社のDNAを背骨に据えつつ、例えば与信やキャッシュフローをAIを絡めて可視化するなどの周辺領域にもサービスを拡張していきたい」(同)。

※本稿は2024年8月8日に名古屋市内で開催された個人投資家向け会社説明会におけるROBOT PAYMENT久野氏の講演内容からポイントを抜粋したものです。
業績については8月14日に2Q決算と同時に通期予想の変更を発表して、24年12月期の目標を売上高で25億7,800万円から27億円(前期比22%増)に、営業利益で3億2,000万円から4億円(同74.6%増)に引き上げている。

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