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インタビュー2021年6月29日

億り人Zeppy井村俊哉が聞く!!〈第2回〉 井村氏×Fast Fitness Japan 土屋敦之代表取締役社長

元お笑い芸人で、現在は個人投資家として7億円の通算利益を誇る井村俊哉さん。中小企業診断士でもある井村さんが上場企業のトップに直撃して、魅力を探る。第2回は、2020年12月にマザーズに上場したFast Fitness Japan(7092・東マ)。土屋敦之代表取締役社長にコロナの影響、出店動向などを聞いた。同社は24時間型フィットネスクラブ「エニタイムフィットネス」を国内で展開している。

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――コロナ禍で壊滅的打撃を受けるサービス企業が多い中、御社はいち早く回復した。要因は。

「FC(フランチャイズ)本部の運営事業と直営店事業の2つを持っていることが大きい。休業は直営店事業にストレートに響くが、FC店からはロイヤルティーを頂いており、影響は小さかった」

「また、当社の会員は40歳代以下の男性が多い。この年代はコロナ禍でも3密を避けてワークアウト(運動)したいという人が多い」

――気になるのが会員数の戻りが鈍い点。

「1店舗当たり平均で15~20%会員数が減少した。昨年6月に営業を再開するも、コロナ第2波、第3波で緊急事態宣言が発令され、会員数が回復したと思ったらフタをかぶせられるの繰り返し。こうした状況では1店舗当たりの会員数は元に戻らないし、元に戻るべきではないと考えている。コロナが落ち着けば1年ほどで戻るだろう」

――FCオーナー企業1社当たりの店舗数が増えている。今後もこのまま増えればと思うものの、会員数の戻りの鈍さもあってオーナーさんが出店に若干二の足を踏んでいるのではないかと危惧(きぐ)している。

「現在、FCオーナー企業1社当たりの店舗数は平均5.5店。10店舗以上持つメガオーナー企業も20社近くある。店舗数が多いほどコロナのダメージは大きく、既存店の回復に注力したいと考えるオーナーが多い。一方、3~5店舗のオーナーは出店意欲が依然強く、現在はこうした第2グループが出店している」

「戦略的にブレーキとアクセルをかけながら経営してきた。フォローしきれないためほぼ2年間にわたりストップしていた新規オーナー募集を、昨年10月に再開した。目下、月に10社ペースでFC加盟社が増えている。運動するためエニタイムの会員になっている飲食店オーナーが少なくなく、異業種への業態転換助成金(3,000万円)を活用して出店を考えている人も多い。“マイクラブ”を持つということ」

――僕も“マイクラブ”開業しようかな(笑)。FCオーナーを新規に受け入れれば、規模もどんどん大きくなるのにそれをやらなかったのは、サービスの均一化などを考えてのことか。

「そうだ。われわれの目的は店を出すことではなく、店舗網を作ること。それにはサービスの均一化は欠かせない」

――オーナーに出店ニーズはある。ただそこを戦略的にブレーキを踏みながらサービスの均一化を保つ。ストーリーがいいです。ところで土屋社長は創業メンバーだがファウンダーではなく、保有割合は3.7%にとどまる。投資家、株主目線では成長へのコミットメントが気になる。

「株主の意向によるが、私自身は社長を辞めるつもりはない。会社が設立されてから10年超。結果としてこれだけ大きくなった。お金は多いに越したことはないが、十分頂いている。その価値は“プライスレス”」

「大熊会長は新規上場に伴う売り出しで保有株を放出していない。大きなことを言うと、マザーズは1つの通過点。プライム市場の上場条件は既にある程度クリアしている。今後、流動比率を高めていく手段は十分ある」

――ミッション、夢は。

「47都道府県に出店し、新しいマーケットを創出してきた。現在4%のフィットネスの参加率を10%に高めたい。コロナ禍でJR山手線は止まらなかったが、ジムは休業対象となり悔しい思いをした。参加率10%ぐらいとなり、ジムが人々の健康を守る社会インフラになれば、止められることもないだろう」

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