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トップ記事2024年12月6日

大量保有報告書から探る ブラックロック 半導体関連やREITの一角を売却

フジクラは4年ぶり5%超 ソニーも買い増し

日経平均は引き続き3万8,000円~4万円のレンジでボックス展開。こうした中、世界最大の機関投資家・ブラックロックはどう動いたのか、12月5日受け付けの大量保有報告書から探ってみた。

12/5受付分の報告書で持ち分変動が明らかになった主な銘柄
銘柄(コード) 保有割合 増減率
フジクラ(5803・P) 5.47%
参天製薬(4536・P) 5.27%
ソニーG(6758・P) 8.53% △1.10
バンダイナムコHD(7832・P) 6.46% △1.07
SUBARU(7270・P) 6.02% △1.01
ローム(6963・P) 4.32% ▼1.73
イビデン(4062・P) 3.80% ▼2.38
SUMCO(3436・P) 4.71% ▼2.04
浜松ホトニクス(6965・P) 4.38% ▼1.82
マツダ(7261・P) 4.75% ▼1.93
京成電鉄(9009・P) 3.65% ▼1.51
野村不動産HD(3231・P) 4.32% ▼1.35
しずおかFG(5831・P) 5.24% ▼1.18
マネーフォワード(3994・P) 3.82% ▼1.51
サンケイリアルエステート(2972) 4.76% ▼1.11
SOSiLA物流リート(2979) 7.92% ▼1.02
Oneリート(3290) 4.51% ▼2.51
スターツプロシード(8979) 3.88% ▼1.13
CREロジスティクス(3487) 7.38% ▼0.59

表の通り、今回は一部売却報告が優勢。半導体関連やREIT(不動産投資信託)の引き下げが目立つ。イビデン(4062・P)は2022年に10年ぶりに5%超に引き上げて以降、一定水準を維持してきたが再び5%以下に。SUMCO(3436・P)も21年に5年ぶりに5%超に高め、それ以降一定水準を保ってきたが再び5%以下となった。ローム(6963・P)は13年夏以降で5%以下に低下したのは初とみられる。

SUMCOは300ミリメートル先端品は販売好調、それ以外は販売低迷という状況が当面続く見通し。①レガシー品は需要低迷に加え、中国製ウエハが同国内で普及しつつあり、中期的にレガシー品の出荷が戻らない可能性②新設備稼働で来期の減価償却費は今期比700億円程度増加が見込まれ、来期減益の公算――とされ、こうした点が考慮されたと考えられる。

REITは低金利が終焉(しゅうえん)し、金利上昇局面に入る中、借入金利上昇に伴う利払い負担増が収益に与える影響が懸念され人気離散。平均分配金利回りはついに5%に達したが、東証REIT指数は下落基調で8月安値をうかがう状況となっている。

中でブラックロックは秋口あたりまではREITの買い付け報告が優勢だったが、ここにきて売却報告に傾斜。株価不調でしびれを切らし見切り売りに動いたとみられる。ただ、11月29日受付分で都市中心に大型オフィスビルに投資する日本ビルファンド(8951・P)をほぼ1年ぶりに買い増し、10%超に高めたことが判明。REITは銘柄選別を徹底しているようだ。

一方で電線株のフジクラ(5803・P)を4年ぶり、近視進行抑制薬を抱える参天製薬(4536・P)を2年ぶりに5%超へ引き上げた。

また、ソニーG(6758・P)について1年半ぶりに追加取得を報告。14年に5%超、17年に6%台に引き上げ、それ以降鳴りを潜めていたが、23年に7%台、そして今年は8%台と徐々に引き上げてきており、事業戦略を注意深く観察している様子がうかがわれる。株価は足元で22年高値および今年7月高値にあたる3,100円どころを払った。市場の関心は「ITバブルの00年3月に付けた最高値(3,390円)をいつ更新するか」に移ってきている。

バンダイナムコHD(7832・P)は9年ぶりの買い増し報告となる。(Q)

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