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銘柄・相場情報2024年6月19日

急騰相次ぐ「優待」発表 ショボい内容でも関係なし

個人の優待好きはよく知られるところだが…。

株主優待新設・導入を発表した企業の急騰が相次いでいる。直近18日引け後発表の2銘柄では、ストレージ王(2997・G)がザラバ値付かずのままストップ高(17.9%高)比例配分で、DIシステム(4421・S)も一時12.2%高だ。ともに優待のみの発表のため、2ケタ上昇は純粋な優待効果とみてよさそう。

といっても、例えばストレージ王の場合。100株主に対する優待内容は、7月末割り当ての記念優待でクオカード2,000円分、1月期末割り当てで同3,000円分(1年以上保有なら4,000円分)の計5,000円分(他にトランクルーム割引券も付くが…)。1株当たりで50円は18日終値の8.9%。決して低くはないが、大量の買い物を残すストップ高は少々行き過ぎではないか。DIシステムに至っては、同様の試算で1株当たり10円(18日終値の1.2%)に過ぎない。

ちなみに、18日昼休み中に記念優待を発表した売れるネット広告(9235・G)は当日午後1時過ぎに23.7%高まで買われたものの、19日安値で上げ幅の8割強を帳消しにしている。優待そのものを好感するより、「優待発表」という名の株価材料に反射的に反応しているように見える。

実際、最近の新設・導入発表企業の直後の営業日の高値までの上昇率を追うと、①6月3日リヒトラブ28.4%高②10日クラダシ39.1%高(ストップ高比例配分のため、翌日高値までなら69.1%高)③12日GENDA13.5%高④13日トップカルチャー17.7%高⑤17日リョーサン菱洋4.0%高――といった具合。再編上場のリョーサン菱洋以外は(前出の3銘柄も含め)全て2ケタ上昇まで買われている。今後も材料としての「株主優待」には注目を怠れない。(K)

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