きずなホールディングス(7086)が3月6日、マザーズに新規上場する。
葬儀業界における家族葬のパイオニアとして「家族葬のファミーユ」ブランドを中心に直営ホールを展開している。
2000年に前身のエポック・ジャパンが設立され、故人との最期の別れを親しい家族のみで営むことのできる空間を提供する「家族葬」という新しいジャンルの葬儀を生み出した。17年6月に株式移転で現在のきずなホールディングスを設立した。
直営ホールは19年12月末時点で、7道府県(北海道、千葉県、神奈川県、愛知県、京都府、宮崎県、熊本県)で79ホールを運営している。
加えて、地価相場が高いなど初期投資の回収期間が長期にわたる地域では、公営斎場などを活用して葬儀の施行を提携葬儀社に委託して顧客に葬儀サービスを提供している。この委託モデルは49社(19年12月末)の業務委託先のもと、4都県(千葉県、埼玉県、東京都、神奈川県)で展開している。
また、インターネットを使ったプロモーションによって、29道府県の顧客から葬儀施行の依頼を受けて提携葬儀社および代理店に仲介している。
売上収益は、葬儀施行業の収益で構成される「葬儀売上」、ネット集客業などの仲介手数料の「仲介手数料収入」、フランチャイジーからのロイヤリティ収入などの「その他のサービス」の3区分で構成。このうち「葬儀売上」が90%超を占める。
2020年5月期は売上高80億2,300万円(前期比11.5%増)、営業利益7億円(同13.9%減)の予想。葬儀売上における葬儀件数は7,792件(同15.3%増)、売上高は74億5,900万円(同12.6%増)を見込む。新規ホールは当初10ホールを見込んでいたものの、出店用地確保の遅れにより3ホールの開設が来期に順延となり、今期は7ホールのオープンにとどまる見通し。葬儀単価は直営モデルと比較して単価の低い委託モデルの比率が高まることで95万7,000円(同2.9%減)を見込んでいる。
18年の葬儀業界の市場規模は1兆8,000億円と推計される。上位10社合計のシェアは20%に満たず、多くの小規模の企業がそれぞれの地域で葬儀を行っている。一方で、顧客のニーズは多様化するとともに、IT業界をはじめとする他業界からの参入も進んでいる。同社ではこうした構造変化を成長の機会ととらえ、M&A(企業合併・買収)を活用して零細業者を事業承継していくことで直営ホールエリアの全国展開を進めていく。
概要
●事業内容=葬儀施行および葬儀付帯業務を提供する葬儀施行業など
●本社=東京都港区芝4-5-10
●代表者=中道康彰代表取締役社長兼グループCEO
●設立=2017年6月
●上場前資本金=1億円
●発行済み株式数=344万4,235株(上場時)
●筆頭株主=投資事業有限責任組合アドバンテッジパートナーズV号(上場前66.89%)
●公募株式数=5万株
●売出株式数=169万7,200株(ほかにオーバーアロットメントによる売出が26万2,000株)
●仮条件=2月14日に決定
●ブックビル期間=2月18日から25日まで
●引受証券=野村(主幹事)、みずほ、SBI、マネックス、楽天、いちよし
業績推移(連結)
売上高 | 営業利益 | 1株利益 | 配当 | |
2018.5 | 6,417 | 641 | 86.43 | ― |
2019.5 | 7,193 | 813 | 119.75 | ― |
2020.5(予) | 8,023 | 700 | 108.92 | ― |
※単位100万円、1株利益は円 |