ランサーズ(4484)が12月16日、マザーズに新規上場する。
「テクノロジーで誰もが自分らしく働ける社会をつくる」をビジョンに、仕事を依頼したいユーザー(クライアント)と仕事を受けたいユーザー(ランサー)をオンライン上でマッチングさせるフリーランスプラットフォーム「Lancers」を運営している。
クライアントが依頼し、ランサーが受注できる仕事は270種類以上。主にシステム開発・運用、デザイン・クリエイティブ制作、記事作成、データ入力などが挙げられる。
このプラットフォームの活用により、クライアントはオンライン上で必要な時に必要な分だけ、他の手法と比較して短期間で、さまざまな業務の依頼ができる。一方、ランサーはオンライン上で働けることから、自分の能力を生かした仕事が選べる、好きな時間・場所で働くことができる。
クライアントは大企業からベンチャー企業まで幅広く、累計登録クライアント社数は2019年10月時点で35万社超。累計登録ランサー数は19年10月時点で同100万人を上回り、うち19年3月期に報酬を得たランサーは約8万人に達する。
なお、クライアントからの仕事の依頼形態に基づき、オンラインスタッフィングプラットフォーム領域と、クラウドソーシング領域の2領域でサービスを提供。前者はクライアントがフリーランスの持つスキルや実績、評価を基に特定のフリーランスを選択して依頼することでマッチングが成立する。一方、後者はクライアントが不特定多数のフリーランスに対して仕事を募集し、フリーランスが提案を行い、クライアントは提案の中から成果物を採用することでマッチングが成立する。
前者はシステム開発など、後者はデータ入力など。同社流通総額の約9割をオンラインスタッフィングプラットフォームを占める。
現在、同社はオンラインスタッフィングプラットフォーム市場の主力企業に成長。今後は同プラットフォーム市場で圧倒的なポジショニングの獲得を目指す。中長期的にはランサーおよびクライアントの仕事の実績データを生かし、直接雇用を含めた雇用、人材活用や人材管理サービスの提供、スコアリングを活用した周辺事業への進出を検討する考え。将来的には、労働人口減少など日本と同様の課題を抱える国への進出も検討していく。
上場に伴う公募増資で調達した資金は、広告宣伝費、人件費、人員拡大に伴うオフィス移転費用、借入金の返済に充てる予定。
概要
●事業内容=フリーランスと企業を仕事領域でマッチングさせるプラットフォーム事業の運営
●本社=東京都渋谷区渋谷3-10-13
●代表者=秋好陽介代表取締役社長CEO
●設立=2008年4月
●上場前資本金=11億3,812万5,000円
●発行済み株式数=1,617万5,100株(上場時)
●筆頭株主=秋好陽介(上場前56.79%)
●公募株式数=227万株
●売出株式数=506万7,400株(ほかにオーバーアロットメントによる売出が110万600株)
●仮条件=11月27日に決定
●ブックビル期間=11月29日から12月5日まで
●引受証券=大和(主幹事)、三菱UFJモルガン・スタンレー、楽天、SMBC日興、SBI、マネックス、松井、岩井コスモ
業績推移(連結)
売上高 | 経常利益 | 1株利益 | 配当 | |
2018.3 | 1,910 | ▲351 | ▲39.38 | ― |
2019.3 | 2,552 | ▲93 | ▲1.96 | ― |
2020.3(予) | 3,441 | ▲549 | ▲44.05 | ― |
※単位100万円、1株利益は円 | ||||
▲は赤字 |