大英産業(2974)が6月4日、福岡証券取引所に新規上場(IPO)する。
新築マンションの分譲を中心とした「マンション事業」と新築一戸建ての分譲を中心とした「住宅事業」を主な事業としている。
マンション事業は、自社ブランド「サンパーク」を冠した新築のマンション分譲を、主に沖縄県を除く九州全域と山口県で展開している。デベロッパーとして商品企画部門と販売部門を一体化させており、供給地域の顧客のニーズやトレンンドを直接商品企画に反映できる体制を構築。1986年の事業開始からの供給実績は7,000戸を超えている。
商品は上質な住空間を追及する「レジデンス」シリーズを主力に、女性目線での使いやすさを追求する「グラッセ」シリーズ、その両者を併せ持ち、空間・開放感をテーマにした上位クラスの「テラス」シリーズ、都市生活を最新鋭の住宅設備で支える先進的な「イクシア」シリーズ、コストパフォーマンス追求型の「バイズ」シリーズ。取得した立地条件から求められるライフスタイルに合わせた提案ができる商品群となっている。主要顧客はファミリーで、初めて家を持つ第一次取得者層。最近ではライフスタイルの変化に対応して小家族向けマンションの分譲にも着手した。
土地情報の収集と選定はデベロッパーの生命線だが、50年に及ぶ社歴と豊富な販売実績から九州各地での地主や不動産仲介業者と信頼関係を築いており、多くの土地情報が集まるようになっている。
マンション事業ではほかに、賃貸マンション販売事業、タウンハウス分譲事業を行う。タウンハウスとは複数の木造一戸建てが連なって長屋のような外観を持ち、権利関係や管理方法は分譲マンションと同様に区分所有の形態を採る住宅。今後注力する商品としている。同社が供給した分譲マンションの管理事業を行うマンション総合管理事業も行う。
住宅事業の一つは、自社ブランド「サンコート」を冠した新築一戸建ての分譲。家事・育児・収納を重視した女性にとっての使いやすさがコンセプト。コンパクト設計と建設コスト削減に努めていることが特色。創業時からの供給実績は3,000戸を超える。事業の二つめは注文住宅事業で、分譲住宅でカバーできない需要に対して規格型の注文住宅を展開している。近年では分譲住宅にはない建物プランを開発して市場に投入。VR(仮想現実)を駆使した新しいプランニングができるなど、規格型注文住宅の可能性を体験できる店舗「CASA STUDIO」を2018年4月にオープンした。住宅事業はほかに、不動産流通事業、土地分譲事業を行っている。
住宅事業は営業店舗「住まいの情報館」に来場の顧客に、立地・価格・間取りなどの条件をヒアリングした上で、分譲住宅・注文住宅・中古住宅の商品群から顧客に合った住まいを提案する。「住まいの情報館」を販売の拠点とすることで物件個別に現地展示会をするよりもコストダウンが図れる。「住まいの情報館」は北九州市を中心に6店舗が営業している。
19年9月期の業績は売上高311億1,300万円(前期比11.8%増)、経常利益18億1,300万円(同86.5%増)の予想。配当は年36円の予定。マンション事業と住宅事業の売上高構成比は52対48。マンション事業は3月にしゅん工済みの「サンパーク鳥栖中央公園テラス」などの新築分譲物件がほぼ完売状態にある。住宅事業は「サンコート」を中心とした分譲住宅の売上が473棟の見込み。
概要
●事業内容=新築マンションの分譲を中心としたマンション事業および新築一戸建ての分譲を中心とした住宅事業
●本社=北九州市八幡西区下上津役4―1―36
●代表者=大園信代表取締役社長
●設立=1968年11月
●上場前資本金=9,800万円
●発行済み株式数=325万2,000株(上場時)
●筆頭株主=大園信(上場前44.4%)
●公募株式数=31万2,000株
●売出株式数=12万3,000株(このほかオーバーアロットメントで1万5,000株)
●仮条件=5月16日に決定
●ブックビル期間=5月20日から24日まで
●引受証券=エイチ・エス(主幹事)、SMBC日興、岡三、SBI、FFG、西日本シティTT、マネックス、ひろぎん
業績推移(連結)
売上高 | 経常利益 | 1株利益 | 配当 | |
2017.9 | 23,396 | 1,030 | 246.46 | 5.00 |
2018.9 | 27,832 | 972 | 198.38 | 19.53 |
2019.9(予) | 31,113 | 1,813 | 394.88 | 36.00 |
※単位100万円、1株利益と配当は円 |