アンビスホールディングス(7071)が10月9日、JASDAQに新規上場する。
医療施設型ホスピス事業を展開する。同社では、安心な住まいを提供して、質量ともに整った看護体制により入居した人に医療とケアを届ける事業を「医療施設型ホスピス事業」と定義している。
施設系サービスの住宅型有料老人ホームと、訪問系サービスの訪問看護、訪問介護、居宅介護支援を有機複合的に組み合わせた「医心館」を1都9県に19施設を事業所として展開(8月末)。退院後の行く先に不安や心配がある医療依存度が高い人やその家族といった顧客の幅広いニーズに応えている。「医心館」では障害者の受入れにも取り組んでおり、障害者総合支援法によるサービス提供を行っている。
従来の「病院完結型」医療から今後の「地域完結型」医療への変革が行われようとする中、在宅医療は医療を人々のくらしに還し、病院と地域を親和させるといった医療のパラダイムシフトをもたらすことが期待される。
「医心館」への入居と訪問看護などサービスを組み合わせることで、慢性期および終末期にある人々に対して生活と療養の場を提供し、地域に対する在宅医療のプラットフォームとしての役割を果たしている。
健康保険(診療報酬)および介護保険(介護報酬)についての制度改定は、国が提唱する「地域包括ケアシステム」の構築と医療機能の分化強化に向けて、在宅医療・訪問看護を推進するもの。同社グループの事業には追い風になる。
中長期戦略としては、①医心館事業規模(出店数)の拡大 ②医心館事業の利用対象者層の拡大 ③地域医療再生事業への取り組み ④潜在ナース活用事業への取り組み。
「医心館」の出店は、まず都市型モデルとして首都圏など大都市圏でのドミナント(地域を絞っての集中出店)展開。閉鎖的地方都市での高シェア戦略である地方都市モデルの2種類がある。新規出店数は2017年9月期に2施設、18年9月期に3施設、19年9月期は8月までで5施設。年間7~10施設を新規に開設する計画で、中長期的には60~70施設を目指す。
上場に際して調達した資金は、医心館事業における新規開設(20年9月期は3施設)の開設資金や従業員採用費などに充当の予定。
概要
●事業内容=住宅型有料老人ホーム等「医心館」施設内における訪問看護、訪問介護、居宅介護支援および障害者支援などの各種サービスの提供と施設運営による「医療施設型ホスピス」事業
●本社=東京都中央区八重洲1-9-8
●代表者=柴原慶一代表取締役
●設立=2016年10月
●上場前資本金=4,000万円
●発行済み株式数=1,100万株(上場時)
●筆頭株主=IDEA,Inc(上場前66.89%)
●公募株式数=100万株
●売出株式数=10万株(このほかオーバーアロットメントで16万5,000株)
●仮条件=9月18日に決定
●ブックビル期間=9月20日から27日まで
●引受証券=野村(主幹事)、SBI
業績推移(連結)
売上高 | 経常利益 | 1株利益 | 配当 | |
2017.9 | 1,862 | 199 | 12.69 | ― |
2018.9 | 3,104 | 411 | 28.73 | ― |
2019.9(予) | 5,240 | 754 | 54.74 | ― |
※単位100万円、1株利益は円 |