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インタビュー2023年3月2日

経済アナリスト馬渕磨理子の気になる企業 ユー・エス・エス、アイリックコーポレーション

経済アナリストの馬渕磨理子氏が2月24日、日本証券新聞が福岡・博多で開催した「個人投資家向け会社IR説明会&株式講演会」に登場した。同会で個人投資家にプレゼンを行った2社、ユー・エス・エス(4732・東証プライム)アイリックコーポレーション(7325・東証グロース)にも言及。ポイントを抜粋して紹介する。

ユー・エス・エス

現行NISA駆け込み需要が追い風に?

中古車オークションの最大手です。部品不足は長期化、新車がまったく足りていない状況はいまだに改善されていませんから、中古車市場の活況はまだまだ続きそうです。

そんなユー・エス・エスの業績は好調そのもの。今3月期は第2四半期に続き第3四半期も売上高、営業利益で過去最高額をたたき出したことが確認されています。

なにより注目できるのは「配当」です。今期は1株当たり67.5円、前期比1.3円増と株式上場以来となる23期連続での増配を計画しており、このような方針は業績達成に対する強い自信の表れとも読み取れます。

配当利回りも3%超と良い水準です。今年は、年前半は米国の利上げのゴールを探る動きが続くとみられ、景気懸念などが取りざたされるタイミングがありそうですが、そのようなときには高配当銘柄が注目されることが多く、ユー・エス・エスが人気化する場面もあるかもしれません。

高配当銘柄といえば、来年始まる新NISAを前に現行NISAへの駆け込み需要が発生することも想定され、このような場面でも高配当銘柄が選好されそうです。

【ユー・エス・エス 会社概要】
全国19カ所に会場を展開、シェア40%超を誇る中古車オークション運営会社。データは国内中古車価格の参考資料として売買あるいはローン設定などあらゆる場面で活用されている。近年はリサイクル事業を拡大中。自動車から派生して現在は工場の解体を引き受けるまでに。SMBC三井住友銀行グループと会社設立するなど将来の第二の柱になるべく存在感が高まっている。

アイリックコーポレーション

OCRによるストック収益が拡大中、DX関連で要認識

来店型保険ショップ「保険クリニック」を運営する同社ですから、コロナ禍がようやく落ち着いた今後は業績が好転してくると考えられます。

ただし足元は「投資期間」とのこと。「保険クリニック」の知名度を向上させるべくテレビCMなどに資金を投じているため、今6月期は増収ながらも減益を予想しています。もちろん、その先には回収を見込んでいて、会社側は中期経営計画において来期からの増益転換を示しています。

とりわけ「OCR」は注目できます。「保険クリニック」業務効率化のために着手した、保険の証書を読み取る技術、OCRを開発してブラッシュアップを続けたところ、いまや国税庁といった官公庁や大手企業などに技術を納めるまでになった。いわゆるDX(デジタルトランスフォーメーション)関連という顔を持っているのです。

これまでは開発費が先行、かつ、オーダーメイドで納品するなどフロー収益がメーンでしたが、ようやくストックが積み上がり「5割くらいまで高めていきたい」などと方針が定まってきたところ。フローとストックが逆転するタイミングに差し掛かっているといった雰囲気。注目しておきたい企業のひとつです。

【アイリックコーポレーション 会社概要】
日本初の来店型の相談窓口「保険クリニック」を全国展開。ここで培ったノウハウをベースに独自の保険分析・検索システムを自社開発して、競合にも一部提供するなど保険業界のインフラ的な存在。そしてOCR技術は国税庁の確定申告書作成時のツールや総務省統計局の国勢調査にも導入されるなど用途が急拡大している。