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インタビュー2022年2月10日

馬渕磨理子が聞く ×直近IPOのTrue Data米倉裕之社長【前編】

世界に先行する「ID-POS」

データ「共有」で小売業を大革新

2021年12月にIPO(新規上場)したTrue Data(4416)。2月14日に第3四半期決算の発表を控える同社をおさらいするべく、2022年1月16日に実施した米倉裕之代表取締役社長と経済アナリスト馬渕磨理子氏との対談を抜粋して紹介する。

馬渕:IPO前から注目していました。私自身のYouTubeチャンネルで注目銘柄として取り上げて、分析もしています。いわゆるDX(デジタルトランスフォーメーション)企業。「購入」に特化したビッグデータをお持ちで、その数が6,000万人規模とのこと。

米倉:創業は2000年、DXという言葉が生まれる前から、小売業者を支援するために三菱商事の新規事業として立ち上がった会社です。そして現在は、これまで蓄積されたデータをいろいろな産業に使っていただく、といったビジネスモデルを展開しています。ビッグデータやテクノロジーは新しい道具にすぎないと考えています。例えば電子レンジといった道具が生み出されても使いこなせなければ意味がありません。True Dataは「道具の使い方、『データ』という食材が付加価値を生む方法」を当社と顧客企業のみならず、社会全体で共有することを目指しています。

馬渕:企業理念として掲げられている「データと知恵で未来をつくる」ですね。データの共有というお話しは、図が、とても分かりやすい。

米倉:データの流れを水の恩恵に表しています。山が小売業者で、ここに「データ」という雨が降り、水のように循環して世の中を支えていく。皆さんが買い物をすることで小売業者にデータが生まれる、これを閉じ込めることなく、True Dataが精製、蓄積、管理、分析、活用とカタチを変えることで世の中のいろいろなところで使えるようにする。データに付加価値を生み出すためのプラットフォームになることを、当社は目指しています。

馬渕:「循環」がキーワードですね。ただ、DXやデータ活用という言葉は聞くものの、実現できている企業は少ないという印象があります。

米倉:例えば「ウレコン」というツールをインターネット上で無償公開しています。スーパーやドラッグストアが扱う商品をほぼすべて網羅していまして、どこの地域でどんな商品が売れているのか、購入者の性別や年齢はどうかといったことが、誰でも「見える」ようにしてあります。

馬渕:御社の強みを理解する上でカギとなりそうなのが「ID-POSデータ」かと思います。POS (販売時点情報管理)ではなくて「ID」ということですが、このあたりをご説明いただけますか?

米倉:POSデータは小売業者で広く使われている、商品の売れ行きを見るためのデータです。これにID(ポイントカード番号などの顧客ID)をひも付けたものがID-POSになります。日本ではポイントカードが大変に普及していて、レジでポイントカードを出しながら買い物されている方は非常に多いかと思いますが、この割合が売り上げ全体の7割程度を占めています。

馬渕:「人」を軸にした分析が可能になるのですね。

米倉:単に何が売れているかという商品のランキングだけではなく、リピート率まで分かります。繰り返し買われている、この商品はファンが増えているからまだまだ売り上げが伸びるな、と。このような人を軸にした商品動向を可視化するのがID-POSの特徴です。

馬渕:企業のマーケティングにはかなり重要なデータになってきますね。

米倉:そうですね。まだまだ世界的にはPOSが主流ですが、ID-POSについては日本が先行していますので、そういう意味では当社としても非常に期待をしている領域になります。

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※対談の様子は動画でもご覧いただけます。日本証券新聞Digital版もしくはYouTube日本証券新聞公式チャンネルから。
https://www.youtube.com/watch?v=I4cIL9DLXDU/