10月11日の米国株式市場は4日続伸。
9月の卸売物価指数(食品とエネルギーを除くコア指数)は前年同月比2.7%上昇と8月改定値の2.5%から上昇率が拡大し、市場予想の2.3%上昇を上回った。
その他、FRBのボウマン理事が講演で、インフレ率はFOMCの目標の2%をなお大幅に上回っていると述べ、インフレ率を目標に戻すためには、政策金利が一段と上昇し、当面は制約的水準に維持する必要があることを示唆していると発言した。
これらを受けて、米国株の主要3指数は中盤に反落した。
だが、9月19日~20日に開催されたFOMC議事要旨が公表され、大多数の参加者が年内あと1回の利上げが適切になると判断していたが、政策判断は今後の経済指標などを踏まえて「注意深く進める」ことで一致していたことが判明した。
今年のFOMCは10月31日~11月1日と、12月12日~13日に開催されるが、次回のFOMCでは政策金利を据え置くことが意識されたため、債券が買われ、金利が低下した。
金利低下を受けて、主要3指数は後半や終盤に切り返した。
NY証券取引所ではイーライ・リリーが6日続伸となった。10月3日に前立腺がんなど向けに放射線療法の開発を手掛けるポイント・バイオファーマ・グローバルを買収すると発表したことがきっかけで、がん治療分野でも存在感を高めると期待された。
イスラム組織ハマスとイスラエルとの戦闘に対して、サウジアラビアが地域的・国際的な同盟国とともに原油市場の安定化を図ることを誓ったと、ロイター通信が報じたため、NY原油先物は続落となり、エクソン・モービルとシェブロンは売られた。
ナスダックではエムビディアとAMDが買われ、アムジェンはLeerinkが投資判断を引き上げたことで上昇した。
NYダウ工業平均は前日比65ドル(0.19%)高の33,804ドル。ナスダック総合指数は前日比96ポイント(0.71%)高の13,659。S&P500指数は前日比18ポイント(0.43%)高の4,376。
NYダウ採用銘柄はアムジェン、ボーイング、インテルなどが買われ、シェブロンやジョンソン&ジョンソン、P&Gなどは売られた。上昇は13銘柄、下落は17銘柄。