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IPO2022年8月31日

新規上場紹介 ファインズ 9月28日 グロース 動画を起点としたマーケティングDX支援

ファインズ(5125)が9月28日、グロースに新規上場する。

ブランディングテクノロジー(7067・G)の100%子会社として設立された当初は、モバイルFlashサイト制作の販売やリズエンジンの検索順位を最適化するMEOサービスなどを展開。その後は現在のVideoクラウドの前身である動画サービスなどへ事業を拡大した。

同社は動画を起点に企業のマーケティングDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援する『Videoクラウド事業』、予約・顧客管理システムを活用して店舗DXを支援する『店舗クラウド事業』の2つから構成され、主力のVideoクラウド事業の売上高は2021年6月期で83.5%を占める。

Videoクラウド事業における動画制作サービス取引社数は7月末現在で7,735社。コロナ禍でテレワークが普及する中、広告・プロモーションをはじめ、付加価値の向上の点から営業資料、ブランディング、展示会、ウェビナーなどに使われているほか、業務効率化の点からマニュアル・ナレッジ共有、教育・研修、IR・株主総会など活用シーンが広がっている。

また、クリックやタップなど視聴者が動画の中でアクションを起こす仕掛けを組み込んだインタラクティブ機能や、VR(仮想現実)動画を実装することも可能。従来の動画は一方通行での情報発信しかできなかったが、Videoクラウドでは企業と視聴者が双方向でコミュニケーションを取ることができる。

中でも、インタラクティブ動画は視聴者が動画の中で興味のある個所をタップしてストーリーを自ら選択していくため、従来不透明であった“興味関心”のデータを詳細に取ることができる。こうして取得した動画の視聴データや顧客のマーケティングデータをDXコンサルティングへと生かしている。

一方、店舗クラウド事業ではユーザーが会員登録をしなくても24時間予約可能な予約・顧客管理システム「TSUNAGU」や「いつあき」を提供。このうち「いつあき」は機能をさらに簡素化し、スピードと便利さを強みとしたもので、主に小規模事業者のDXを支援するサービスとなっている。

同社の強みは、案件の獲得を代理店やパートナーに依存することなく、見込み客へのアプローチから案件化まで自社のみで行える直販体制を構築している点。マーケティング専門チームがRPAを活用して効率的に見込み客を抽出・リスト化し、そこから国内6拠点に在籍する160名以上のノウハウを持ったコンサルタントが付加価値の高い提案を行うことで、潜在的なニーズの顧客層から安定的に案件を獲得できる。

また、機能別の分業体制を構築することで営業活動から制作、その後のDXを推進するサポートまで一気通貫したサービス提供を行うことができる。高品質化と内製化の推進により、全体の営業利益率は2021年6月期で17.0%、22年6月期は22.7%と収益性が向上した。(SS)

概要

●事業内容=動画制作サービス、動画配信プラットフォームサービス(Videoクラウド)、DXコンサルティング
●本社=東京都渋谷区渋谷2-12-15
●代表者=三輪幸将代表取締役社長
●設立=2019年3月(実質上2009年5月)
●上場前資本金=1,387万円
●発行済み株式数=449万株(上場時)
●筆頭株主=三輪幸将(上場前50.59%)
●公募株式数=25万株
●売出株式数=77万株(ほかにオーバーアロットメントで15万3,000株)
●仮条件=9月7日に決定
●ブックビル期間=9月8日から14日まで
●引受証券=野村(主幹事)、みずほ、SBI、楽天、SMBC日興、東洋、岡三、松井、マネックス

業績推移(単体)

売上高 経常利益 1株利益 配当
2021.6 2,199 382 64.23
2022.6 2,595 601 101.01
2023.6(予) 2,979 732 113.52
※単位100万円、1株利益は円

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