グッピーズ(5127)が9月30日、グロースに新規上場する。
医療・介護・福祉業界に特化した人材サービス事業と、スマートフォンを活用したヘルスケア事業の2つの事業を展開。人材サービス事業では、主に有資格者に対応した中途転職者向けの求人サイト「GUPPY求人」、新卒学生向けの「GUPPY新卒」を提供している。
求人サイトは期間掲載型料金または成果報酬型料金が一般的だが、「GUPPY求人」では主に閲覧課金(クリック課金)型の料金システムを適用している。採用が決まった際に費用が発生する成果報酬型の採用課金制度も設けているが、同事業における売り上げ比率は閲覧課金が94%超を占める。
求人者は初期費用0でポイントを購入(1ポイント=1円)し、求人情報(詳細)が求職者に閲覧されると120ポイント、求職者にスカウトを送信した場合は1,000ポイントなどと定額のポイントが消費される仕組み。斡旋や仲介を行う職業紹介のサイトではなく、求人者と求職者はWebまたは電話などで直接やり取りを行うため低コストでの運営が可能。さらにスカウトの送信機能といったサービス展開で顧客単価の向上を実現している。
また、全国の歯科医院の27%、歯科職種就業者の約42%が登録しており、売り上げベースでも同事業のうち82.3%(2021年8月期末)を歯科職種が占める。求職者についても、歯科3種(歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士)のユニークユーザー数は5年で約2.1倍に増加している。
新卒向けも注力しており、サイト運営以外に国家試験過去問対策アプリや就職情報誌、合同就職説明会、学校求人票発送代行など多くのサービスを提供している。このうち国家試験過去問対策アプリは最大過去9年分の過去問を無償で提供。アプリ利用時に登録する会員情報が共通となっていることから、登録後にアプリ内で「GUPPY新卒」に掲載されている求人の閲覧・応募が可能となっている。
これにより国家試験受験者の新規登録者を増やし、同社の知名度を高めることで、「GUPPY新卒」の登録者数の増加だけでなく、将来の「GUPPY求人」の利用につながっている。
また、合同就職説明会は歯科衛生士・歯科医師の求職者に対しオフラインで開催しており、求人者(歯科医院)に説明会に出店する権利を販売している。
ヘルスケア事業では健康管理アプリ「グッピー ヘルスケア」を開発・提供している。一般利用者向けには歩数や体重管理など19種類の健康管理コンテンツを搭載しており、サービスは無料で利用可能。企業向けには機能を拡張した有料サービスを提供しており、従業員1人当たりの月額システム利用料を支払うことで、従業員の健康維持・増進を目的とした福利厚生として利用されている。
従業員はアプリ内で一定の基準を満たすと健康ポイントがたまり、そのポイントをAmazonギフトなどと交換できる。ほかに自治体や健康保険組合向けにもサービスを展開しており、今後も企業や団体との連携・提携によりサービスを拡張する予定。(SS)
概要
●事業内容=医療系求人サイトの運営、ヘルスケアアプリの運営
●本社=東京都新宿区西新宿6-14-1
●代表者=肥田義光代表取締役
●設立=2000年9月
●上場前資本金=3,000万円
●発行済み株式数=340万株(上場時)
●筆頭株主=肥田義光(上場前67.69%)
●公募株式数=40万株
●売出株式数=73万5,000株(ほかにオーバーアロットメントで17万200株)
●仮条件=9月12日に決定
●ブックビル期間=9月13日から20日まで
引受証券=SMBC日興(主幹事)、野村、東洋、SBI、岩井コスモ、東海東京、あかつき、マネックス、丸三
業績推移(単体)
売上高 | 経常利益 | 1株利益 | 配当 | |
2020.8 | 936 | 104 | 25.72 | ― |
2021.8 | 1,396 | 304 | 76.62 | ― |
2022.8(予) | 1,804 | 448 | 102.50 | ― |
※単位100万円、1株利益は円 |