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コラム2022年10月14日

【本日のマーケット】10月14日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

10月14日(金)のマーケット                                                                   

10月13日の米国で発表された9月の消費者物価指数は前年同月比8.2%上昇(市場予想8.1%上昇、8月は8.3%上昇)、前月比0.4%上昇(市場予想0.2%上昇、8月は0.1%上昇)。変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数は、前年同月比6.6%上昇(市場予想6.5%上昇、8月は6.3%上昇)、前月比0.6%上昇(市場予想0.5%上昇、8月は0.6%上昇)だった。消費者物価指数が市場予想を上回ったため、FRBが11月に続き、12月も0.75%の利上げを続けるという見方が強まり、景気悪化懸念から米国株は売り先行で始まった。だが、米国10年債利回りが一時4.08%となったことで、債券に買いが入り、3.9%台に下がったため、株式にも買いが入り、切り返した。NYダウは朝方549ドル安と売られた後、終値は827ドル高となり全面高。日米金利差拡大を受けて、円相場は1ドル=147円66銭まで円安が進み、147円15銭~25銭で取引を終えた。NYダウは前日比827ドル(2.83%)高の30,038ドル。ナスダックも朝方328ポイント安となったが、切り返し7日ぶりに反発。アップルやマイクロソフト、ブロードコムなどが買われた。NASDAQ総合指数は前日比232ポイント(2.23%)高の10,649。S&P500指数は前日比92ポイント(2.60%)高の3,669。

米9月消費者物価が予想を上回ったが、英政府が減税政策を大幅に修正検討との報道で英国金利が低下し、米国株は大幅高。東証プライム市場は全面高となった。日経平均も急騰したが、25日線で上値抵抗。ファーストリテが2ケタ増益継続予想で大幅高。ソニーは自動運転の電気自動車構想で買われた。エーザイは野村証券が目標株価を引き上げた。1ドル=147円台の円安でHOYAや三菱自動車が高い。商社株も強張った。大黒天物産は大幅減益で急落した。

スタンダード市場では、ウエストHDが中期経営計画の利益目標が注目され大幅高。フェローテックや新生銀行、出前館が買われ、フライトHDはマイナンバー関連として急騰した。コメ兵はインバウンド関連として物色された。一方、Eインフィニティと光・彩、SKジャパンは売られた。

グロース市場では、貸会議室のTKPは上期の営業利益が通期予想に接近し大幅高。QDレーザはTDKとNTTとAR(拡張現実)用スマートグラスを共同開発しストップ高。ビーマップは保育施設向け「入退室みまもりシステム」で人気。グッピーズは今期計画が物足りないため大幅安。

日足チャート上では、週初から大きくギャップダウンとなり、10月4日に空けた下方の窓を埋める格好。週末の大陽線で再び5日移動平均線上に浮上するも、上値は25日移動平均線(2万7,148円)に跳ね返された。今週は上下にボラティリティの高い展開となった。週足では下ヒゲの長い陽線。26週移動平均線(2万7,266円)が意識される水準。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。3連休のたびに株式市場は荒れ模様になっているような気がします。

意外なことに、日本国内には明るいデータがそろっています。10月7日に発表された8月の景気動向指数は、先行指数が100.9(+2.0)と4か月ぶりのプラスを記録しました。一致指数も101.7(+1.6)で3か月連続で上昇しています。

9月の「街角景気」(景気ウォッチャー調査)も、現状判断DIが48.4(+2.9)となりました。行動規制が解除された飲食関連の上昇が引っ張っています。

日本は経済の停滞が長く続いていたために、不況慣れしているような部分があります。直前まで好況に沸いた米国とは違って、日本は静かな日常を粛々と過ごしていました。

コロナの行動規制によって飲食店、旅行、ホテル、アパレル、サービス業は大きなダメージを受けましたが、それも少しずつ日常を取り戻しつつあります。世界経済はこれから厳しい状況を迎えることになるのかもしれませんが、それだけに日本の相対的な底堅さが目立ってくるように思えてきます。

最近の銀行セクター(特に地方銀行株)の堅調さにそのあたりが投影されている可能性もあります。内需系銘柄の落ち着いたところ、あるいは外需系企業でも急落する局面などは大きな投資のチャンスが訪れているように思えてなりません。

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注目記事 Pick up
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【日経平均853円高(今年3位)
日本証券新聞10月17日(月)紙面1面TOP記事掲載 

「谷深ければ山高し」 さらなる反騰候補を探る

焦点の米CPI(消費者物価指数)発表を通過した。13日のニューヨークダウは、いったん「549.91ドル安」と9月安値割れに売られながら、一転、「957.69ドル高」まで切り返すジェットコースター的な展開で、引けも827.87ドル高となった。

もちろん、これまでも「9月7~12日の4連騰」(計1,236.04ドル高)や「10月3、4日の続騰」(計1,590.81ドル高)が一過性の上げに終わった経緯がある。「今回の上げも買い戻し主導で持続力は乏しい」といった冷ややかな声が少なくないのも事実。11月1~2日FOMC(米連邦公開市場委員会)という次の大イベントを控え、思惑含みで乱高下する場面も想定される。

とはいえ、今回の反騰劇は①前日までS&P500指数6日続落(連日の年初来安値)という底値圏で生じたこと②公表数字が市場の失望を誘う内容だったにも関わらず、急落後に大きく切り返したことに意味がある。

・・・続きは紙面・Digital版で!

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今日の市況概況
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10月14日(金)☆[概況/大引け] 

米国株大幅高を受け、全面高となり、日経平均は急騰したが、25日線で上値抑制。ファーストリテは決算で大幅高

大引けの日経平均は853円高の2万7,090円、TOPIXは43ポイント高の1,898ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は1,751、下落銘柄数は61。出来高は13億1,931万株、売買代金は3兆2,061億円。
米国で9月の消費者物価が予想を上回り、米国株は安寄りしたが、英政府が減税政策を大幅に修正検討報道で英国金利が低下し、米国債利回りの上昇が一服したため、米国株は大幅高となった。
東証プライム市場は全面高。日経平均も急騰したが、25日移動平均線が2万7,169円で上値抵抗線となった。

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