11月25日(金)のマーケット
12月1日の米国株式市場でNYダウは3日ぶりに反落したが、ナスダックは小幅続伸。11月のISM製造業景況指数は49.0となり、市場予想の49.8を下回った。FRBが物価の指標として注目するPCE価格指数は10月が前年同月比6.0%上昇と9月の6.3%上昇から鈍化した。ただ、2日に発表される11月の雇用統計を控え、利益確定の売りが出た。セールスフォースは第4四半期の増収率見通しを8~10%と発表したが、前年同期比として2004年の上場以来最も低い伸びとなることや、テイラー共同CEOの退任が発表されたことで売られた。ビッグデータ関連のスノーフレークは8~10月期決算がアナリスト予想を上回ったことで買われた。NYダウは前日比194ドル(0.56%)安の34,395ドル。ナスダックではエヌビディアとネットフリックスとクラウドストライクが買われ、コストコは売られた。NASDAQ総合指数は前日比14ポイント(0.13%)高の11,482。S&P500指数は前日比3ポイント(0.09%)安の4,076。
米11月ISM製造業景況指数が50を割り込み景気後退懸念で米国株が売られた。ドルも売られ、円高が進んだため日本株は自動車株中心に輸出関連が安い。越境EC関連のBEENOSも円高で利用者減が警戒され下落。米ブラックストーンが不動産ファンド解約を一部制限したため、不動産投資に対する不安から不動産各社が敬遠された。一方、レーザーテックは2つの新製品発表が支えとなった。メルカリはUBSが新規「Buy」と評価し続伸。
スタンダード市場では、ワークマンが11月既存店が8.8%減で下落し、乳幼児玩具のピープルは通期予想を下方修正し大幅安。住石HDは井村氏の大量保有が判明しストップ高。アパレルECのクルーズが大幅高。太洋工業は機能性セラミックス薄膜複合フレキシブル基板を近畿大と共同開発。
グロース市場では、NPCとマイクロ波化学、カヤック、JTOWERが反落し、M&A総研は続落。一方、CANBAS、リプロセル、リファインバース、MacbeePは年初来高値。直近新規公開株のウェルプレイドとティムスはストップ高となり、サイフューズも値を飛ばした。
日足チャート上では、2万8500円レベルで上値を抑えられた。昨日は大きくギャップアップとなったが、長い上ヒゲを伴い安値引け。本日はギャップダウンとなり、寄付きから2万8,000円割れ。25日移動平均線を下抜けて売り圧力の大きさがうかがえる。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NSJ Market Forcus
★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
鈴木一之です。今週は半導体関連株の動きが堅調でした。
半導体セクターに関しては今週は驚きの連続でした。世界の半導体市場を統括する業界団体のWSTS「世界半導体市場統計」が、2023年の半導体市場の見通しを明らかにしており、そこでは来年は4年ぶりにマイナスの伸びに落ち込むとの内容が盛り込まれました。
その前日も米国の調査会社・ガートナーが2023年の半導体市場見通しを明らかにしており、前年比で▲3.6%の減少と指摘しました。7月に続いて今年2度目の下方修正です。
世界経済の動向に最も敏感な半導体市場が減速するという厳しい見方が広がる中にあって、半導体セクターの株価は逆に堅調な動きが目立ちました。世界景気に対してかなりのネガティブな内容にもかかわらず、株価がポジティブな反応を示すケースは底値圏が近いことを示すと見られます。
日本経済は経済統計データで見る限り、必ずしも明るいものではありません。内閣府が発表した11月の消費動向調査によれば、消費者態度指数は3か月連続で低下しました。これによって内閣府は2か月連続で景気の基調判断を下方修正しています。
それでも街の様子は賑わいを取り戻しています。物価の上昇は厳しいですが、株価はしっかりした値動きを続けています。このミスマッチがどこに由来しているのか、ひょっとしたら株価は総じて底値を打った可能性もあります。注意して全体を見回してみるべき局面にあります。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NSJ Market Forcus
注目記事 Pick up
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【12月高習性銘柄 再チェック】
日本証券新聞12月5日(月)紙面1面TOP記事掲載
タカショー18勝1敗/東急レクなど3銘柄16連敗中
一難去ってまた一難といったところか…。「パウエル議長講演」を無難に乗り切った後の“伏兵”が、2年半ぶりの50割れとなった「米ISM製造業景況指数」。悪いニュースは良いニュース(景気悪化→金融引き締め緩和期待)とはならず、米国景気後退懸念やそれに伴う円高ドル安を受けた2日の日経平均は一時563.96円安まで売られた。「11月最終日を含む週」「サッカー日本代表勝利直後」という2つの“株高アノマリー”が同時に裏切られた格好だ。前引けのTOPIXが2.04%安と、6月17日以来の“日銀出動ライン”に到達し、5カ月半ぶりの日銀ETF買い入れ(前回は701億円)が観測されたものの、焼け石に水状態にある。
今後も、2日引け後発表の米雇用統計から13日の消費者物価指数、そして13~14日に焦点の米FOMC(連邦公開市場委員会)と注目イベントが相次ぎ、気の抜けない展開が続くことになりそうだ。
・・・続きは紙面・Digital版で!
今日の市況概況
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
12月2日(金)☆[概況/大引け]
米11月ISM製造業50割れと円高進行で下落。米ブラックストーンが不動産ファンド解約を一部制限で不動産株が安い
大引けの日経平均は448円安の2万7,777円、TOPIXは32ポイント安の1,953ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は167、下落銘柄数は1.637。出来高は13億3,329万株、売買代金は3兆1,716億円。
米国11月ISM製造業景況指数は49.0と、2020年5月以来で初めて拡大・縮小の分岐点となる50を割り込み、企業活動の縮小を示した。
インフレ昂進が沈静化せず、金融引き締めが長期化すれば米国の景気後退が強まり、グローバル不況を招くという懸念から日本株は広範囲に下落した。
詳しくはコチラ