アップコン(5075)が12月26日、名証ネクストに新規上場する。昨年7月にプロ向けの東京プロマーケットに上場したが、こちらは12月25日付で上場廃止となる。
社名を冠した独自工法「アップコン工法」での施工を主力事業とする土木工事業。地震や地盤沈下によりコンクリート床に傾きや段差、空隙が生じた建物や道路などを短い工期で修正できる。
損壊したコンクリート床に1メートル間隔で小さな穴をあけ、環境に安全なウレタン樹脂を注入する工法。樹脂は短時間で発泡し、その圧力でコンクリート床を下から押し上げて、傾きや段差を修正する。従来は既設のコンクリートを壊し、新たな床を打設する工法が用いられてきたが、同社独自の工法ではコンクリート床を破壊せずに施工でき、従来の工法と比べて10分の1ほどの工期で済む。作業スペースが狭くとも施工できる。
住宅では住人が居住したままで作業でき、損壊による段差でフォークリフトの走行が困難といった工場や倉庫でも操業を止める必要がない。
建造物のほか公共工事にも活用され、高速道路や国道で多用されているコンクリート舗装版に生じた沈下や空洞も開削せず短工期で修正できる。老朽化した農業用水路トンネルの崩壊を防ぎ、壊さず延命化を図る工事や、空港の地盤圧密強化工事なども手がけている。
工法の認知度向上に向けてマーケティングを強化。2023年1月期は売上高が前期比33.7%増の9億円、営業利益が同2.7倍の1億5,000万円と大幅な増収増益を見込む。前期に5円だった期末配当金は未定としている。(YY)
概要
●事業内容=土木工事業
●本社=神奈川県川崎市高津区坂戸3-2-1
●代表者=松藤展和代表取締役社長
●設立=2003年6月
●上場前資本金=4,300万円
●発行済み株式数=139万9,400株(上場時)
●筆頭株主=松藤展和(上場前66.4%)
●公募株式数=10万株
●売出株式数=11万7,000株(このほかオーバーアロットメントで3万2,000株)
●仮条件=12月6日に決定
●ブックビル期間=12月8日から14日まで
●引受証券=Jトラストグローバル(主幹事)、岡三、SBI、東海東京、楽天、マネックス、水戸
業績推移(単体)
売上高 | 経常利益 | 1株利益 | 配当 | |
2021.1 | 914 | 250 | 139.32 | 12 |
2022.1 | 673 | 53 | 28.90 | 5 |
2023.1 (予) | 900 | 150 | 75.34 | 未定 |
単位100万円、1株利益・配当は円 |