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コラム2022年12月9日

【本日のマーケット】12月9日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

12月9日(金)のマーケット                                                                   

12月8日の米国株式市場は上昇し、S&P500は6日ぶり、ナスダックは5日ぶりに反発した。イエレン米財務長官は、賃金スパイラルが見られず、供給網のボトルネックも緩和されつつあることを踏まえると、米国は景気後退(リセッション)を回避できるとの見方を示した。NY証券取引所ではファイザーやスノーフレーク、ナイキなどが買われた。一方、景気減速への警戒感は根強く、NY原油先物は5日続落となり、エネルギー関連のコノコフィリップスは7日続落となった。NYダウは前日比183ドル(0.55%)高の33,781ドル。ナスダックではエヌビディアが上昇し、中国のコロナ対策の緩和を受けて、中国のEコマース企業のピンドュオドュオやマカオでカジノを運営しているメルコ・リゾーツが買われた。NASDAQ総合指数は前日比123ポイント(1.13%)高の11,082。S&P500指数は前日比29ポイント(0.75%)高の3,963。

日経平均は大幅反発。米国株高と11月のOECD景気先行指数で日本が唯一の100超えとなったことや台湾のTSMCが日本で2つ目の工場建設の可能性を受け、レーザーテックや東京エレク、アドバンテストが買われたことが寄与した。NTTはBofA証券が目標株価を引き上げ、商社は大和証券が目標株価を増額。経産省の原発活用の「行動指針」で電力各社が高く、三菱重工は政府が防衛費財源確保で上昇。積水ハウスは来期の米国調整を警戒。

スタンダード市場では、半導体関連のフェローテックとテセックが買われ、HDD向け研磨剤のMipoxも高い。デジタルサイネージのアビックスは観光客誘致の自治体案件が期待された。住石HDは信用取引の臨時措置で下落した。ミライアルは8~10月期営業減益で売られた。

グロース市場では、Aimingとマイクロアドが大幅高となり、Appierは15日にプライム市場に昇格することで買われた。ステラファーマは米国で製造委託先の契約を結んだため事業拡大が期待された。Vチューバー関連のANYCOLORとドローン関連のACSLは続落。

日足チャート上では、本日の大陽線で25日移動平均線(2万7,903円)近辺まで上昇。メジャーSQを通過して、再び2万8,000円回復が目前となった。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。株式市場は来週発表予定の米国・消費者物価指数と、それに続くFOMCを控えて神経質な動きを続けています。

この1年、強すぎる経済がインフレを招いて、FRBは急激な金融引き締めの選択を余儀なくされてきました。それがいよいよ転換期を迎えようとしています。

引き続き賃上げ圧力は強く、来年も現在のようなインフレの現状は簡単には鎮静化しないでしょう。それでも徐々に金融引き締めのペースダウンは図られると見られます。

歴史的な水準の低金利を引き上げ、バランスシートの圧縮は継続しそうです。それに伴って株価も簡単には上値トライに向かう可能性は少ないと見られますが、それとともにここからの大幅な下落の確率も低いように思います。業績相場とはそういうものです。

そうだとすれば銘柄間格差や同一業種内での銘柄選別がますます重要になってくるはずです。その上で2023年相場のイメージを形成してゆきたいものです。

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【どうなる「CPI」&「FOMC」 ニッセイ基礎研究所 井出真吾チーフ株式ストラテジストに聞く
日本証券新聞12月12日(月)紙面1面TOP記事掲載 

イベント通過で年末高へ ただし、来春以降は要警戒も

米国株高を受けた9日の日経平均は一時378.37円高となる急反発。先物・オプションSQも通過し、本来なら年末ラリーへの期待が高まりやすいタイミングではあるが、翌週に焦点のイベントを控え、なお決め打ちが効きづらいのが現状か。13日に米CPI(消費者物価指数)発表、そして13~14日にはFOMC(米連邦公開市場委員会)開催となり、固唾(かたず)を飲んで見守る局面にある。これらの行方とその後の相場展開をどう読むべきか。11月10日に発表された「10月のCPI」では、想定以上のインフレ率低下を指摘して見事“的中”の格好となったニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジスト(写真)に話を聞いた。

――今回のCPI(11月分)はどうみるか?

「コモディティ価格の沈静化は既に鮮明だ。9月のCPI上昇率が前年比『8.2%』で、10月は『7.7%』だったが、これを前月比で見ると、9、10月とも0.4%増となっている。仮に11月も前月比0.4%増なら、前年比では7.4%ということになる。市場予想も7.3%程度であり、おおむねそうした線への低下が想定される。大方織り込まれているとはいえ、前年比ベースの低下基調がはっきりすれば、市場でも一定程度は好感されていい」

――翌日にはFOMC結果も明らかになるが。

「利上げ幅の0.5%は既に織り込まれている。注目は(FOMCメンバーの金利見通しを示す)ドットチャートだ。

・・・続きは紙面・Digital版で!

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今日の市況概況
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12月9日(金)☆[概況/大引け] 

反発。OECD景気先行指数で日本は唯一の100超え。TMSCが日本で2つ目の工場建設可能性も寄与した

大引けの日経平均は326円高の2万7,901円、TOPIXは20ポイント高の1,961ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は1,387、下落銘柄数は372。出来高は11億2,588万株、売買代金は2兆9,321億円。
日経平均は反発した。米国株高に加えて、11月のOECD景気先行指数で日本が唯一の100超えとなったことや、半導体受託生産世界最大手の台湾のTSMCが日本で2つ目の工場建設の可能性を受け、レーザーテック(6920)や東京エレクトロン、アドバンテストが買われたことが寄与した。

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