12月21日(水)のマーケット
12月20日の米国株式市場でNYダウは5日ぶりに小反発。日銀が長期金利の上限を拡大したことで円相場は一時1ドル=130円台に円高が進み、ドル安を受けてドル建てで取引される原油の割安感が意識されたため、NY原油先物は続伸した。原油高を受けて、エクソンモービルとシェブロンが高い。その他、ディズニーが反発し、ボーイングが堅調。一方、ウェルズファーゴとフォードは売られた。NYダウは前日比92ドル(0.28%)高の32,849ドル。ナスダックはもみ合い。メタ・プラットフォームズとモデルナは買われたが、テスラは調整が続き、エヌビディアやマイクロンテクノロジーが売られた。NASDAQ総合指数は前日比1ポイント(0.01%)高の10,547。S&P500指数は前日比3ポイント(0.10%)高の3,821。
日経平均は朝方売られた後、押し目買いが入り小幅高に戻した場面もあったが、後場は売り直された。プライム市場では、円高進行でトヨタをはじめとした自動車株が続落となり、金利上昇で不動産に対する売りも続いた。一方、日銀の政策変更の本丸はマイナス金利の解除という見方から銀行株は続伸となった。円高による仕入れ原価低減期待でニトリやパルG、神戸物産が高い。セガサミーはスマートスロット機「北斗の拳」が保安通信協会の型式試験で適合通知を受けた。
スタンダード市場では、新生銀行が反落。歯科製品で海外売上比率が高いナカニシは円高で敬遠された。美術品オークションのシンワワイズも円高で海外からの入札が減ると警戒された。半面、円高メリットのセリアとワークマンは買われた。廃材リサイクルのフルハシEPOが大幅高。
グロース市場では、長期金利上昇を受けて、不動産クラウドファンディングのクリアルが急落。Birdmanは協力会社の配信システム不具合で5D LIVE開催を中止すると発表し売られた。一方、スカイマークが買われ、トラースOPは新製品「店舗の星」を発表しストップ高。
チャート上では、上下にヒゲを伴う陰線。昨日に続き、ボリンジャーバンドのマイナス3シグマ(2万6,427円)を割り込んだことで、リバウンドも考えられる水準。
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【日銀相場 円高メリット再チェック】
日本証券新聞12月22日(木)紙面1面TOP記事掲載
1ドル=151円台(10/21)→130円台(12/21)
“日銀ショック”冷めやらぬ21日の日経平均は一時298.23円安となり、8月24日以来の5日続落。10月13日以来の安値水準に売られた。業種別指数(33業種)の騰落率順位が象徴的だ。長期金利上昇が利ザヤ改善につながる銀行株が3日連続トップとなったほか、上位には空運、小売、電気・ガス、パルプ・紙など典型的な円高メリット業種がズラリと並び、一方の下落率上位は輸送用機器を筆頭に電機、精密、機械など円高デメリットの外需関連セクターが目立った。金利上昇が打撃となる不動産の下落率2位なども含め「日銀相場」の様相が色濃いが、やはり焦点は為替絡みと言えるだろう。
20日の日銀会合結果発表直前まで1ドル=137円台前半で推移していたドル円相場が、直後の急落を挟んで日本時間21日早朝のニューヨーク市場では同130円台半ばまで急落(円は急騰)。同152円に迫った10月21日からちょうど2カ月後のことだ。14日公表の日銀短観で示された今年度下期の想定為替レート(全規模・全産業)が同132.31円だから外需型企業には下方修正懸念の生じる水準だ。
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今日の市況概況
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12月21日(水)☆[概況/大引け]
前場は押し目買いが入ったが、後場は再び売られた。自動車と不動産が続落。銀行は続伸し、円高メリット株も高い
大引けの日経平均は180円安の2万6,387円、TOPIXは12ポイント安の1,893ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は400、下落銘柄数は1,388。出来高は17億7,960万株、売買代金は3兆7,191億円。
日銀の長期金利上限引き上げが、黒田総裁の説明するように市場機能を改善するためであり、「利上げではない」という見方と、政策変更の本丸は「マイナス金利の解除」という見方のせめぎ合いとなった。
日経平均は朝方、一時298円安の2万6,269円となったが、その後は押し目買いが入り、48円高まで戻した場面もあった。しかし、後場は再び売られた。
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