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IPO2022年12月30日

IPO会見【書き起こし】スマサポ(9342)2022年12月29日

IPO会見/全文書き起こし

【会社名】スマサポ(9342・東証グロース)
【上場日】2022年12月29日
【スピーカー】代表取締役社長 小田 慎三 氏

【資料】
事業計画及び成長可能性に関する事項(※)
業績予想

※会見中は別資料を使用のため、本文中には上記資料に合わせた頁数を記載。

事業立ち上げの背景/不動産管理業界が抱える課題

スマサポなんですけれども、不動産管理協会におきまして「smartなくらしをsupportする」という企業理念を掲げております。

まず最初に「不動産管理会社」というのがございまして、こちらが抱える業界の問題というか、課題という背景の方からお話をさせていただきたいというふうに思います。

P4(⇒P21)ですね。不動産管理会社というのは全国に、これは国交省調べなんですけれども、約3万2000社、北海道から沖縄まで管理会社というのはあると言われております。また、賃貸のアパート、マンションの世帯数ですね、こちらの方も約1900万世帯を超えた、超えておる、そういう世帯数がございます、非常に大きなマーケットとなっております。

この不動産管理業につきましては長年ですね、直接的な法規制も監督官庁もなくて、また免許も必要がないという、そういった業界でした。しかし昨年ですね、やっと法制化がなされました。今後、業界の再編・淘汰とともに、DX化というのが加速していくと考えられています。

スマサポは、そういった不動産業界の中で、不動産管理会社と賃貸の入居者の真ん中に位置いたしまして、新しい価値としてですね、不動産管理会社にはアナログな業務の効率化と新たな収益源の確保というのをご提供いたします。そして、賃貸入居者には、本来、管理会社から適正なサービスを受けることによる入居者満足度の向上というものを提供してまいります。

ひとくちに不動産管理会社の業務と言いましても多岐にわたります。入居者の募集に始まりまして、オーナー対応やマンションの清掃、そして原状回復工事の手配、契約業務、解約の手続きなど、さまざまな業務というのが毎日発生しております。

P6なんですけれども、その中で最も時間をとられて対応が大変だと言われているのが入居者対応業務です。例えばなんですけれども、隣のお宅の家の犬が朝から晩まで鳴きやまないとか、真夏の熱帯夜の夜に突然クーラーが止まった、寝れないとかですね、そういう入居者の生活に関する問い合わせ、もしくはクレームの対応というのは、管理会社に働く社員にとりましても非常に精神的に大きな負担となっています。したがって、管理会社さんというのは、なるべく入居者とのコミュニケーションをとりたくないという、いわゆるネガティブなマインドになっています。

皆様の中にも、もしかすると、賃貸マンションにお住まいの方、過去にお住まいになった経験のある方いらっしゃると思うんですけれども、管理会社から何かサービスの連絡とか提供の電話ってあったことってほぼないというふうに思います。やはり賃貸のマーケットにおきましては、管理会社と入居者の間には溝があるというか、しっかりとしたサービスができていないという現状があります。

P7をご覧いただきたいんですけれども、さらになんですが、不動産管理会社からですね、入居者さんに必要な何か事項を伝えたいとしても、その手段はマンションの1階の掲示板、左の写真のようにコピー用紙を貼り付けるぐらいのことしかできないのが現状です。例えば昨今の大型台風が近付いてきているとしても、不動産管理会社としてですね、賃貸の入居者さんに注意喚起をする手段すら、現状は持ち合わせていないという現実がございます。

これは不動産管理会社の収益構造というところにも問題があります。不動産管理会社の収益は家賃の3%から5%という薄利多売な商売のために、どうしても業務に優先順位というものをつけざるを得なく、入居者対応というのはどうしてもおざなりになりがちになっています。

こういう背景を踏まえまして、次に当社の会社の概要の方をご説明させていただきたいと思います。P9(⇒P3)をご覧ただければと思います。そういった不動産管理業界におきましてスマサポはさまざまなこういった課題・問題のソリューションを提供し、新しい価値を生み出し、業界の活性化、変革というものを目指しています。

P10(⇒P4)には当社の会社概要を記載しておりますので、ご確認いただければというふうに思います。

次に当社の経営陣P11(⇒P5)になります。社内取締役の4名に関しましては、長年、不動産管理業界に従事しており、こうした問題・課題に正面から取り組んでまいりました。

P12(⇒P8)ですね。私たちは不動産管理会社と入居者のこれまでアナログでネガティブだったコミュニケーションをさまざまなソリューションで解決するビジネスモデルとなっております。

4つのソリューション/管理会社と賃貸入居者の「真ん中」に

続きましてサービスのご説明をさせていただきますのでP13(⇒P9)をご覧ください。当社は主に4つのサービスを提供しております。主だったものでいきますと、1つ目が「スマサポサンキューコール」というサービスです。これは不動産管理会社から入居者さんの新生活のサポートの業務委託を受けて、管理会社に、これまでなかった収益を生み出すというサービスです。

2つ目が入居者アプリ「totono(トトノ)」のというものです。これまでの不動産管理会社と入居者とのアナログでネガティブだったコミュニケーションをアプリでデジタル化し、業務効率と利便性を高めるサービスとなっております。

そして「sumai保証」というのがございます。こちらは家賃保証になりますので、これは連帯保証人に代わりまして、入居者に家賃滞納があった場合に立て替えて家賃を支払うサービスです。

また「SKB」というサービスがございます。こちらは部屋の内覧の際の鍵の貸し借りをなくすサービスです。具体的にはアプリで開くですね、こういうキーボックスを開発いたしまして、その中に鍵を収納して、賃貸の営業社員や部屋探しの顧客が簡単に内覧ができるようなものを作りました。また、セキュリティー強化のために誰がいつどの部屋に入ったかという履歴を取れるようにいたしました。

続きましてP14(⇒P10)になります。こちらがですね、サービス別の売上比率となっております。事業セグメントは「不動産管理会社向けソリューション提供事業」の単一セグメントとなっています。サービスは先ほどご説明いたしました4つのサービスからなる不動産管理会社向けソリューションサービスと、前期までは新電力のサービスを行っておりました。右の円グラフのように、不動産管理会社向けソリューションサービスが全体の売上の94%を占めております。新電力のサービスは6%となっておりました。

続きましてP15(⇒P11)、当社の売上高と営業利益の推移です。売上高はですね、左の棒グラフにございますように色分けして2段構造となっております。下の濃いグラフがですね不動産管理会社向けソリューションサービスです。そして上の薄い色のグラフが新電力のサービスとなっております。

前期の売上高は20.4億円と堅実に成長をしております。右の営業利益のグラフをご覧いただきたいんですけれども、2011年9月期が7000万円の損失を計上しております。これに関しましては新電力の原価高騰によるもので、2022年9月期はこの新電力事業からは撤退をいたしました、が、黒字を確保しております。

当社は今期、期越え上場となりますので、この図には記載しておりませんが、今期、売上29億円、利益は1億9000万円で業績予想を開示しております。

「スマサポサンキューコール」は成果報酬型リカーリングビジネス

続きましてP17(⇒P13)、先ほどご説明を簡単にしました「スマサポサンキューコール」の詳しいサービス内容をご説明いたします。現在のスマサポの主要サービスであります、このスマサポサンキューコールの概要です。これまで不動産管理会社は、入居者との接触に消極的であったために、新入居者に対してサポートというものが十分にできない状態でした。

そこでスマサポは不動産管理会社に代わり、入居者対応というものを行い、入居者満足度を高めながら新しい収益を得るというビジネスモデルを作りました。具体的なビジネスモデルが次のP18(⇒P14)に記載してございます。こちらが具体的なビジネスモデルです。

図にありますように、不動産管理会社と入居者の間にスマサポは位置いたします。そして、不動産管理会社から個人情報の個人情報をクリアした上で新入居者の新生活サポートの業務委託を受けます。新入居者には、不動産管理会社としてのお礼とさまざまなアンケート調査というものを行います。例えば、この部屋を契約した決め手は何だったですかとか、実際にお住まいになって住み心地はいかがですかなど、本来は管理会社さんが今後必要になるであろうデータというものを管理会社に代わって取得いたします。

そして入居者には新生活を始めるにあたって、必要なインターネットの申し込みや電気ガスといったライフラインの申し込みを取り次ぎいたします。ここで得た収益を管理会社さんには顧客紹介料として還元していきます。

この新入居者というのは、不動産管理会社が管理をする世帯数の約25%の方々が毎年入れ替わりになります。例えば1万戸を管理している管理会社を例に取りますと、毎年1万戸の管理物件の中から2500人の入居者の方が退去をされて、そして新しくまた2500人の新入居者の方が入居してくるという、そういう入れ替わりになりますので、非常にリカーリング性の強いビジネスモデルとなっております。

不動産管理会社はこのスマサポサンキューコールというサービスを無料で導入することができます。また、さらに必要なデータの取得とですね収益というものが得られるという一挙両得のサービスとなっております。

アプリ「totono」は月額10万円のサブスク+オプション、人手不足の有効策

続きまして入居者アプリ「totono」のサービス概要をご説明いたします。P19(⇒P15)になります。「totono」は、不動産管理会社と入居者とのコミュニケーションを円滑にするプラットホームです。具体的な機能といたしましては、1つ目が「お知らせ掲示板」です。これは不動産管理会社が告知したいことをリアルタイムに、ダイレクトに入居者にお知らせすることができる機能です。

次に「チャットコミュニケーション」です。これも今まではすべて電話やFAXメールといったやり取りでした。電話だとクレームの際などは、どうしても苛立った感情同士がぶつかってしまいます。また、言った言わない問題など、クレーム自体がどんどんトラブルが大きくなる原因にもなっていました。チャットコミュニケーションの場合はすべて履歴が残りますし、重要な案件から順番に処理することができますので、業務効率が格段に上がります。

次に「FAQ」です。簡単なお問い合わせは、FAQで自己解決を促進いたします。例えば、宅配ボックスの使い方が分からないなどといった問い合わせに対しましては、使用方法をあらかじめ動画で撮影をしてアプリ内に貼り付けることができます。また、更新、解約といった受付はすべて全て「totono」で完結ができます。さらには入居中のお得なサービスもご提供しております。

続きましてP20(⇒P16)が「totono」のビジネスモデルとなっております。不動産管理会社は、この「totono」をサブスクモデルとして月額利用いたします。不動産管理会社は、自社の入居者には無料で配布をいたします。またアップセルとしてチャットセンターを社内外に設けておりまして、不動産管理会社からのチャット対応のアウトソーシングも請け負っております。入居者には、BtoBtoCとしてさまざまな入居者サービスを展開していく予定となっています。

続きまして、こちらですね、P21(⇒P17)スマサポの主要サービスのKPIのサマリーとなっております。「スマサポサンキューコール」のKPIは契約不動産管理会社数と入居者との接点数です。また「totono」のKPIは同じく契約不動産管理会社数とアプリのダウンロード数となっております。P22がKPIの進捗となっておりますのでご覧ください。「スマサポサンキューコール」、前期はご導入いただいた会社様が全国で870社にのぼります。また、新入居者様に当社の方からアンケート調査、また、新電力やライフラインの取次ぎといったお電話、架電をさしていただいた方々が24万世帯を超える規模になっております。

続きましてP23(⇒P19)、今度は「totono」のKPIの進捗グラフとなっております。こちらも契約管理会社数アプリのダウンロード数とも堅実に成長をいたしております。特にこのアプリのダウンロードにつきましては、ノンプロモーションで利用者が伸びております。これは非常に重要だと思っているんですけれども、これはですね、「totono」を導入いたしますと管理会社にとってはですね、問い合わせが削減できたりとか、掲示板を利用できたりなど業務の軽減につながることが明確ですので、管理会社さんが新入居者さんにマストでダウンロードをうながしていただいていることが大きな要因となっています。既存の入居者さんの中には、SMSでQRコードをお送りしたりチラシの投函などで積極的なダウンロードのうながしを行っていただいております。

管理会社は国内に3万2000社、22年9月現在の実績870社からの拡大を期待

続きましてカンパニーハイライトとなりますので、そちらをご説明いたします。まずカンパニーハイライトの1つ目です。ポテンシャルの余地が大きい不動産管理マーケットというところです。P26(⇒P21)をご覧いただきたいんですけれども、当社が対峙しております市場領域ですが、この色の付ついてある三角形のところですね、当社はオーナーから管理受託を受けるいわゆる管理会社、先ほど3万2000社、国交省調べではあると申し上げましたけれども、この3万2000社、そしてその先には賃貸の入居者さんが1906万世帯ございます。こういう大きな領域を市場領域としております。

例えば、空室の募集などは各社テック企業さんがひしめきあっているんですけれども、この管理会社、そしてその先の入居者の領域というのは、巨大なマーケットで誰しもが参入したい、そういった領域であるにもかかわらず、参入できたテックプレーヤーというのは非常に少ないんです。この理由といたしましては、入居者データというものは管理会社が保有しております。したがいまして、管理会社を通さずに直接賃貸の入居者にリーチするというのは非常に困難になっています。要は、この1906万世帯に上る入居者にサービスをリーチするためには管理会社さん、全国の管理会社さんとタッグを組む必要があるということになります。これまでは、この管理会社さんとの協業というものが大きな参入障壁となっていました。

続いてはP27(⇒P24)当社のTAM(Total Addressable Market、進出可能市場)の説明をさせていただきます。現在の主力サービスは「スマサポサンキューコール」となっております。これは先ほどご説明いたしました、入居者が部屋を借りた際の25%の新入居者へのワンチャンスでのサービス提供となっています。

現在、我々はこのワンチャンスを主といたしまして、約20億円の売上を上げております。で、この市場がですね、どんどん管理会社さんが広がっていきましたら、その市場は500億を超えるものがあると考えております。さらには入居者アプリ「totono」がこの不動産管理業界でのプラットホームとなっていきましたら、ワンチャンスではなくて、今度は入居から退去までという長い期間にさまざまな当社の商品やサービスを提供することが可能となってまいりますので、自ずとその領域というのは広がってまいります。

続きましてカンパニーハイライトの2つ目ですね。現場のデータを収集解析することで実現する管理会社の業務改善というところでございます。P29(⇒P28)をご覧ください。業務改善を行う上で、その元となるデータの取得というのは必須です。サンキューコールで住み心地アンケートをデータ化することで、入居者の課題を抽出し、課題解決の提案をすることが可能となってきます。このようにサンキューコールは管理会社の業務に深く入り込むということが、入ることになってまいります。

解約ナシの入居者向けサービス、「住まい」を軸にアライアンス&領域を拡大

続きましてP30(⇒P29)「totono」ですね。こちらの方は、導入の際に全国に点在する不動産管理会社さんのリテラシーというのはバラバラです。ただ単にシステムを提供するだけでは、なかなか思うようにはワークいたしません。私たちは「totono」導入時に管理会社の業務コンサルを行って導入をサポートしていきます。そして、取得したサービスをもとに、「totono」をどんどんアップデートしていき、会社の業務効率を促進、推進してまいります。このように「totono」も各管理会社の業務に深く入り込んでいきますので、また入居者にもこのアプリを無償でダウンロードしていただきますので、こういったことがチャーン(解約)の防止につながります。実際、当社におきましては未だチャーンは現在発生をしておりません。

続きましてカンパニーハイライトの3つ目ですね。賃貸入居中も接点を有する「totono」の高い成長性というところです。P32(⇒P33)をご覧いただきたいんですけれども、管理会社さんというのは、さまざまな入居者データというのを取得しております。入居者の住所はもとより、年齢や勤務先、年収、家族構成などですね、生活にまつわるデータを管理しています。しかし、これまで不動産管理会社さんはこういったデータを活用して新入居者さんのため、もしくは既存の入居者さんのために何かサービスを提供するということ、そういった術を持っていませんでした。これからは「totono」がこの入居者との間のプラットホームに成長していきますと、この図にございますように、例えば入居者さんが結婚した時とか、子供が生まれた時とか、もしくは転職をした時、車を購入した時など、入居者さまのさまざまなLIFE TIMEチェンジのタイミングで管理会社と、入居者さまは接点を持つことができます。

続いてP33(⇒P34)ですね。これによりまして、これまでリーチできなかった入居者領域にさまざまな外部アライアンス事業者との提携サービスを、このクローズドマーケットの中で提供していくことが実現可能となってまいります。

P34(⇒ナシ)は、直近の当社の外部アライアンス企業の一覧となっておりますので、お目通しをいただければと思います。

続きまして、成長の基本方針というところですね。P35(⇒P40)になります。上場後も非連続成長を図るために2022年以降ですね、新規事業「totono」の先行投資の期間と位置付け、我々は基本事業であるプラットホーム事業とバランスを見ながら事業を経営してまいります。

P36(⇒P41)エクイティストーリーのところなんですけれども、当社は創業以来「スマサポサンキューコール」というもので事業を拡大してまいりました。そして我々の入居者アプリ「totono」が管理業界におけるプラットホームとなるよう今、注力をしております。そして、この「totono」がプラットホームになった暁におきましては、「totono」の上で派生するさまざまな事業で成長を遂げていきたいというふうに考えております。こちらがグロース、収益でございまして、急成長のフェーズとなっていくという形になります。

* * *

以上簡単ではございますが当社の会社概要をご説明させていただきました。何かご質問がありましたら、よろしくお願いいたします。

Question1:競合について。

サンキューコールであったり入居者アプリであったりというのは、競合会社というのは実際、存在いたします。ただ、我々のように複合的に管理会社さんの問題・課題を解決するソリューションを包括的に提供している会社というのは当社だけだというふうに思っておりますので、競合優位性は持ち合わせておるというふうに考えております。

Question2:本日は売買が成立しませんでした。どのように受け止めているか?

本日、初値が付かずということで終わりましたけれども、需給の問題ですとかスケジュールといったところの要素もあろうかと思いますけれども、買い気配で終了したということ自体は非常に多くの期待を寄せられているのかなというふうに考えております。

今後はですね、明日は大納会ですけれども、来年という形で向かっていくにつれて、上場日だけではございませんので、株価をきっちり、企業価値を上げていくためにもですね、事業に邁進していきたいというふうに思っています。

Question3:上場の狙い、調達資金の使途、今後の株主還元への考えを。

まず最初のところで言いますと、上場の目的というところなんですが、当然、マーケットに出るということですので、資金調達というのはあるんですけれども、それ以前に当社としましては、先ほど来の説明にもありますように、いわゆる不動産管理会社の業務の中に深く入っていきますし、その中には入居者様の個人情報というものも多くお預かりをするような形になります。その上でインフラとして社会的な信用度、また知名度というところをしっかり備えていくことが重要であろうということを考えて、上場するという決断をさせていただきました。

調達資金は入居者アプリの「totono」の、デジタルの分野の方に全て投資する予定となっております。投資をして、さらに、不動産管理会社、またその先にいる入居者さんがしっかりと使いやすいサービスに昇華させていくということを目的として資金投下をしていきたいというふうに思っております。

Question4:株主について。DGベンチャーズが(第6位株主に)入っているが、純投資以上の関係性はあるのか?

DGベンチャーズさんに関しましては、目論見書ベースで言いますと、その2つ上(第4位株主)のHamagin DG Inovation投資事業有限責任組合、はまぎんさんがLPとなったデジタルガレージさんのファンドというところからもご出資いただいているご縁をいただいております。

おっしゃられました通りDGベンチャーズさん、CVC(コーポレートベンチャーキャピタル、事業会社の投資部門)ではあられますけれども、デジタルガレージさん自体が決済とか、そういったところの事業をされております。我々不動産業界、管理業界というところでいいますと、やはり一番大きなところでいいますと「お家賃」、入居者さまのお家賃を管理会社というのはお預かりしてオーナーさんに送るというところでいうと、ここのところの決済をよりデジタル化もしくはクリア化し、政府がデジタルで給料を払うというようなこととリンクしてくるかもしれないですけれども、そういったところっていうのは当社1社でやりきれる分ではないと思っておりますので、デジタルガレージさんのような企業さんとしっかりコミュニケーションをとりながらやっていこうというところで。おっしゃっていただいたとおりベンチャーズなのである意味で言うと投資というところなんすけど、純然たる投資というよりかは、そういった事業シナジーも目論んでいるというところになろうかと思います。

Question5:(第9位株主)NEXT ONE有限責任事業組合はどういった方なのか?

こちらはですね、我々が大阪が母体の出身の会社でありまして、その大阪のいわゆる投資家さんたちが集まった私的ファンドのような形になります。我々も当然、存じ上げない方もいっぱいいらっしゃいますし、ただ、組合の代表されている方、我々も上場前から知っている税理士さんであったりしますので、そういった形のいわゆる昔の付き合いといいますか。当社を応援していただいている1社という形になります。

Question6:先ほど新電力事業はお止めになったとのことですが(第14位の)ENECHANGEなは出ていってしまう感じなんですか?

いえ、そんなことはなくて、むしろそこまでにご質問いただいたとおりなんですけども、我々電気の事業をやめましたというのは、新電力を我々が仕入れて販売するという、我々がリスクをとって販売する事業から撤退をさせていただいた、なので赤字が計上されてはいるんですけれども、新電力事業は、ご多分に漏れず倒産ですとか事業撤退って多いと思うんですけど、そこの部分というのは我々撤退させていただきました。

ただ、やはり生活者、新入居者様に対して新生活のサポートをしようという時に「電気をつけない」ということはまずないと思います。まず、どんな方でも引っ越して最初にすることって電気の通電、ガスの開線というようなところのインフラ関係になろうかと思いますので、我々そのあたりというのは非常に、撤退したところではありますけれども、当然に重要なひとつのインフラだと思ってますので、ENECHANGEさんというのはその分野、エネルギー分野に関して長けたプラットフォームをお持ちだと我々は思っていますので、ここに関してはむしろ出ていかれるというか、より強固にしていきたいなというふうに思っております。

Question7:マネタイズのところを確認したい。管理会社に対して「サンキューコール」は無料で提供、一方の「totono」はP20(⇒P16)にあるように月額利用料10万円とある。そこに、チャット代行は1チャットあたり約780円とあるように、オプションがかかっていく?

「totono」はサブスクモデルになりまして、毎月10万円のサービス利用料を管理会社さんから、1社あたり、いただくかたちになります。入居者様は無料で使うことができる。
昨今、地方では管理会社さん、なかなか人をとれないという問題がございまして、電話のコミュニケーションをチャットにするということで、入居者とのチャットのやりとりというものを、もうBPO、アウトソーシングしたいという企業様が増えてきておりますので、そのBPOの部分を我々がチャットセンターを社内外に持っておりますので、そこで受託すると、この部分も非常に大きな収益になっていくという形になります。

Question8:チャット、これはどれくらいの件数が発生しているものですか?

管理会社さんの規模にもよるんですけれども、管理会社さんの管理しているお部屋に対しましては、約10%ぐらいが1カ月に問い合わせがあり、そのうちの3割ぐらいがチャットかなと思います。

Question9:大東建託とのアライアンス(P36)、既存アプリと「totono」を連携させる、とあるが、同じような考え方でいいのか? 

そうですね。大東建託さんは「ruum、ルーム」という自社のアプリをお持ちですので、今後そこが連携していくような形になりますので、ちょっとこの料金(P16、月額10万円が基本のサブスクモデル)とは違うような形でのサービス提供になろうかと思います。

Question10:ENECHANGEとの提携(P35)、これはどのタイミングで発生するのか?

入居時に先ほど来申し上げていますように、入居しました、では電気を開通しなければならないというタイミングで、入居前に電気のご契約、例えばこの関東圏であれば東京電力さんなのか新電力なのかというようなところをENECHANGEさんと商材の確認をさせていただいて、入居者さんの方にスマサポとしてご連絡をさせていただくと。スマサポとしてお電話をさせていただいて、彼らの商材等々を流していくというのと、あと我々は不動産管理会社さんがお客さんになりますので、ENECHANGEさんがいわゆるEV、電気自動車のステーションですね、これを広げていきたいという戦略をお持ちのようですと、そこのところでいくと、最近、私もそうですけど、よく見るところでいうと商業施設、例えばイオンとかホテルとか映画館とか、そういったところにけっこうEVの充電器って置いてますけど、いわゆる自宅ですよね、家のところにあまり設置されていないと。不動産管理会社が管理する駐車場にも今後設置を広めていきましょうと、こういったところで、ひとつの商材だけではなくて、やはりエネルギーと暮らしというのは非常に密接につながっている分野だと思っていますので、そういったところを包括的に取り組んでいきましょうというのがENECHANGEさんとの資本業務提携という形になります。

Question11:(ENECHANGEさんは)御社を経由して管理会社とつながることができる、と?

そうですね。

Question12:先ほどDGベンチャーズさんの話の中で「家賃のデジタル化が、もしかしたら」ということでしたが、それは家賃の回収代行みたいなものも今後新しいサービスメニューになりうるということですか?

そうですね。非常に中長期的な形になろうかと思いますし、現時点で何か具体的にサービスインするとかサービスインの時期が決まっているというわけではないですけれども、デジタルガレージさん自体そういったところの分野というのはお強い会社さんだと思いますので、我々としても、当社の上場もそうですけれども、先方さん含めていろいろな形で、どうすれば一番入居者さんがこうクリアにというか、シームレスに家賃決済ができて、オーナーさんが家賃を収受できるかというようなところを目指していきたいという思いは持っております。

Question13:既に契約されている管理会社さんの「規模」はどのようなレンジに広がっているのか?

既存の管理会社さんのところでいきますと、小さいというかミニマムにされているようなところですと100戸200戸という会社さまとも当然取引をしておりますし、大東建託さんというような形になってくると117万戸というところ、非常に幅は大きい業界かなと思っております。平均値をとる、取引先の平均値ということでいうと、ざっくり3000戸ぐらいの管理会社さんの平均値になってこようかと思っております。ただ、今後ということを見据えていきますと、比較的に中小零細というか、小規模の会社さんの方もニーズがあると思っておりますので、そういったところは増えてこようかというふうに考えております。

Question14:確かに「家」はすべての基本だと思うが、たとえば、将来的にはほかの領域をカバーする(P34)といっても、そこには既に競合が存在する。そのあたりの機関投資家の反応は?

管理会社をおさえている、は、非常にご評価いただいているところ。たとえば自転車を購入した場合は必ず駐輪ステッカーを管理会社にお願いしないとなりませんし、車も車庫証明が必要。賃貸の場合はすべてが管理会社を抜きにしてはできない。ところが管理会社は入居者対応はおざなりになりがちで、どちらかというとオーナーに向いてしまう。われわれが間に入ることで、駐輪ステッカーのときに保険の広告を出すとか、そういったマネタイズが今後はじまってくる。

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