Arent(アレント、5254)が3月28日、グロースに新規上場する。
建設業界、プラントエンジニアリング業界の大手企業にDXのコンサルティング、システム開発・販売を行っている。
売上高の96.4%を占めるプロダクト共創開発は建設業界に特化したDXコンサル事業。業界の状況、顧客の課題を深く把握してコンサルティングを行い3カ月程度でプロトタイプを作成。顧客からのフィードバックを受け、2年程度で必要最小限の製品を開発する。これらをアジャイル開発で行い、プロダクトの初期リリース後は顧客の要望する追加機能を開発。プロダクトの利用終了まで、長期間にわたり継続的な収益獲得を期待できる。子会社ではブロックチェーンをはじめとした先端技術領域に着目してシステム開発に取り組んでいる。
共創開発の成果の商品化、外販も実施している。千代田化工建設(6366・S)と折半出資のジョイントベンチャー(JV)を設立。プラントエンジニアリング業界に対し、プラント設計の配管作業を自動的に行うソフトウエア「PlantStream」のライセンス販売を行い、利用期間に応じた継続的な収益を得ている。JVは持ち分法適用会社になるため、売上高、利益は投資損益に反映される。さらに、建設業界に対して、自社で開発したソフトウエアのライセンス販売も実施。米Autodesk社のBIM(3次元モデルの利活用)ツールの追加プログラムとして、「自動配筋」をリリースしている。
国は2023年から公共事業でのBIM利用の原則化を決定。建設業界のDXに必要な技術を網羅し、BIM関連製品を生み出しているのは強み。今後、建設業界大手のIT投資のシェア25%(1,116億円)を目指していく。
短期~中期ではプロダクト共創開発の着実な遂行や既存プロダクトの拡販に注力。長期的には建設業界のレガシーシステムを置き換えるため、M&Aの積極的な活用を検討している。
23年6月期の業績については売上高18億6,800万円(前期比84.6%増)、営業利益5億2,300万円(同2.1倍)を計画している。(HS)
概要
●事業内容=建設業界を中心としたDXコンサルティング、システム開発、システム販売など
●本社=東京都中央区八丁堀2-10-7
●最寄りの連絡場所=静岡県浜松市中区和地山3-1-7
●代表者=鴨林広軌代表取締役社長
●設立=2012年7月
●上場前資本金=1億5,000万円
●発行済み株式数=602万3,280株(上場時)
●筆頭株主=鴨林広軌(上場前39.98%)
●公募株式数=新株式発行42万800株、自己株式の処分27万9,200株
●売出株式数=60万株(ほかにオーバーアロットメントで19万5,000株)
●仮条件=3月8日に決定
●ブックビル期間=3月9日から15日まで
●引受証券=みずほ(主幹事)、SBI、野村、楽天、岩井コスモ、岡三
業績推移(連結)
売上高 | 経常利益 | 1株利益 | 配当 | |
2021.6 | 722 | 45 | ― | ― |
2022.6 | 1,011 | 14 | ― | ― |
2023.6(予) | 1,868 | 286 | 37.05 | ― |
※単位100万円、1株利益は円 |