株主優待制度が投資のモチベーションになる個人投資家が8割にも上ることがマネックス証券の調査で分かった。日本独自とも言われる株主優待制度の人気が根付いていることがうかがわれる。
調査はマネックス証券の口座保有者に2月27~3月5日に行われ、5,862人が回答した。株主優待が投資のモチベーションに「なる」と答えた人は78%で、「ならない」の17%を圧倒した。優待がある企業を保有している人は88%と大半に上った。保有している優待銘柄数については2銘柄以上5銘柄未満が44%と約半数。複数の銘柄で優待制度を活用していることになる。1銘柄は13%しかいなかった。30銘柄以上保有している人も5%いた。
単元未満株の優待人気企業(マネックス証券調べ) | |||
1 | 東日コンシス | 3316・S | クオカードPay |
2 | 上新電機 | 8173・P | 買い物割引券 |
3 | 日本電産 | 6594・P | 自社関連施設割引 |
4 | SBIHD | 8473・P | 子会社商品割引 |
5 | クラレ | 3405・P | カレンダー |
6 | 三菱マテリアル | 5711・P | 貴金属取引の割引 |
7 | テルモ | 4543・P | 商品の割引 |
8 | パソナG | 2168・P | 施設の割引 |
9 | ビジョナリーHD | 9263・S | 自社製品の優待券 |
10 | 京セラ | 6971・P | 商品の割引 |
※取引人数が多かった順番 |
優待目的では単元未満株で優待を受けられる企業が注目される。数百円~数千円の1株しか保有していなくても優待が受けられるのだ。同証券の人気ランキングの1位は東京日産コンピュータシステム(3316・S)。株価は600円台だが1株でも保有していると500円のクオカードPayが贈られる。
さらに、2位の上新電機(8173・P)は株価2,000円前後なのに1株でも5,000円相当の買物優待券が得られる。購入金額以上の優待を受けられるのだ。ただし、優待券なのでクオカードと違い購入できる場所が限られるのが玉にきず。ユニークなのは6位の三菱マテリアル(5711・P)。金の取引時に1グラム当たり5円優待が受けられる。
一方、単元株が必要な優待銘柄を含めると人気上位は商船三井(9104・P)、日本郵船(9101・P)、INPEX(1605・P)の順で優待よりも高配当目当てとみられる。ただし、5位楽天G(4755・P)、6位ANAHD(9202・P)、8位日本航空(9201・P)と配当利回りが低い、もしくは無配の企業も上位に入っており、やはり、優待内容が魅力的なことが購入につながる銘柄も多い。
もらってうれしい優待品(複数回答)は金券と食事券などの優待券が53%で同時首位。自社製品が50%とほぼ並んだ。企業側は自社の製品、サービスに愛着を持ってもらいたいうえ、安定株主確保につながる狙いがあるが、一定の効果は出ているといえる。なお、優待制度は随時変更されるので、購入時には注意したい。(HS)