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コラム2016年8月12日

☆竹中三佳の株Catch one’s eye Part.150 世界が支持する“きめ細やかさ”

まさに“目に入れても痛くない”姪っ子の誕生で、これまで接することのなかった赤ちゃん用品に触れる機会が増え、その進化に驚かされています。

妹が使用しているピジョン(7956)の哺乳(ほにゅう)びん「母乳実感」は、赤ちゃんが母乳を飲む口の動きを研究して作られました。母乳と同じ口の動きでミルクが飲めるよう、乳首(先端)部分に弾力性を持たせたり、口径を広くするなどして改良。赤ちゃんの唇がぴたっと密着することで、自然でなめらかな舌の動きを促すそうです。

乳首の穴を4種類もそろえたことで、ミルクの量を調節可能にした点も大きな特徴です。新生児は10分で50ミリリットル、6カ月以降は200ミリリットルのペースで飲めるよう工夫されているため、赤ちゃんはストレスなくミルクが飲めるそう。実際、私が姪っ子に初めてミルクをあげる際には特にコツも必要なく、スムーズにあげることができました。

ピジョンは「哺乳びん・乳首」「搾乳器」「おしゃぶり」「スキンケア」「母乳パッド」の5分野を核として国内外で重点的に注力していくとした、第5次中期経営計画を策定。全体売上高の3割を占める中国におけるeコマース(電子商取引)への積極的な取り組みや、欧米でシェアを伸ばしている搾乳器のさらなる普及などを掲げています。先日、中国から訪日していた友人は「本国でも日本のベビー用品は人気で、最近やっとeコマースで買えるようになったものの、可能であれば種類が豊富な日本で直接購入したい」と話していました。

2017年1月期は6期連続の増収増益を計画するなど、業績右肩上がりのピジョン。日本で培った商品への信頼性を武器に、国外での自社ブランド力の浸透を計り世界全域を視野に入れた事業を展開することができるのか、注目しています。

【編集記者Yのコメント】
6月の決算発表で業績堅調ぶりが確認されたピジョン。株価は年初来高値(3,535円)まで買われたものの、直後には中国の成長率鈍化などを懸念した証券各社が格下げを発表。以降、調整が続きましたが、先ごろ半年ぶりに2,500円を割り込んだ後は、底入れ・反発の動きを強めています。

[本紙8月15日付14面]

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