4月21日(金)のマーケット
4月20日の米国株式市場でNYダウは3日続落。フィラデルフィア連銀が日発表した4月の製造業業況指数はマイナス31.3と、3月のマイナス23.2から低下した。予想はマイナス19.2だった。3月の中古住宅販売戸数は年率換算で前月比2.4%減の444万戸となり、市場予想450万戸に届かなかった。電気自動車のテスラは1~3月期決算の純利益が前年同期比24%減となり、大幅安となったことも投資家心理を悪化させた。その他、地方銀行で預金残高が減ったことを受けて、コメリカやトゥルイスト・フィナンシャル、キーコープが売られたことも金融不安を警戒させた。AT&Tは1~3月期のフリーキャッシュフローがアナリスト予想を下回り、契約者数の増加幅が前年同期比で縮小したことで大幅安となった。NYダウは前日比110ドル(0.33%)安の33,786ドル。ナスダックも下落。テスラが売られ、エヌビディアが安いが、半導体製造装置のラムリサーチは買われた。米国政府による先端半導体技術の対中輸出規制の影響を受けると警戒されてきたが、ラムリサーチは以前の想定よりも中国に対して多くの製品を輸出することができると述べたことが注目された。NASDAQ総合指数は前日比97ポイント(0.80%)安の12,059。S&P500指数は前日比24ポイント(0.60%)安の4,129。
半導体株が買われ、一時上昇した場面もあったが、バイデン米大統領がハイテク分野の対中投資規制に関する大統領令に署名する計画を受け、上海株が売られたため、日経平均も小幅安となった。ソフトバンクGやメガバンクが売られ、EV価格競争懸念で仏ルノーが大幅安となった影響で日産も下落。ディスコは消耗品出荷の底打ち感が出てきたことで急騰し、アドバンテストやSCREENも物色された。東京ガスは業績上方修正で買われた。
スタンダード市場では、Abalanceが3日続落でストップ安。ダイワ通信は大幅反落となり、直近IPO銘柄の南海化学とエキサイトも安い。一方、シーズメンは経営陣を刷新し、アスリート向けコーチング・AI解析によるアスリート向けサービス提供で業務提携の構想が材料視された。
グロース市場では、QDレーザが大幅反落。ispaceは続落。パーキンソン病専門の老人ホームのサンウェルズは業績予想を上方修正したが材料出尽くし感から大幅安。一方、TrueDは続伸しストップ高。J・TECは大幅続伸。ファンデリーやWelbyなどの低位株を物色。
日足チャート上では長い上ヒゲを引き、3月9日のザラ場高値も更新。先週から8連騰となった今週は、心理的節目となっていた2万8,500円の値固めとなった。週足では、先週の大陽線の上に位置。週足でも下値を切り上げて、上方向へのトレンドがうかがえる。
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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。今週、日経平均は8連騰を記録して年初来高値を更新しました。
マーケットを取り巻く環境は日を追って好転しているように見えます。まだ明確な形にはなっていないものの、政治、経済、社会のあらゆる面で大きな変化が始まっていることが実感されます。今週はビッグニュースが相次ぎました。
週初は政治面です。軽井沢で開催されていたG7外相会議は無事に終了し、5月の広島サミットに向けて「法の支配に基づいた国際秩序」の枠組みを打ち出すことを、共同声明においてはっきりと確認しました。
札幌ではG7環境相会議が開催され、温暖化ガス削減についてパリ協定よりも厳しい「2035年までに(2019年比で)60%削減」という目標が盛り込まれました。「化石燃料」の範疇にも従来の石炭に加えて天然ガスが加えられました。
経済面では中国の1-3月期GDPが発表されました。前年同期比+4.5%となり、10ー12月の+2.9%から大きく伸びています。市場の事前予想も上回り、前期比でも+2.2%の伸びを示して市場の注目を集めました。
今後は中国からの観光客の伸びをいかにインバウンド消費の伸びにつなげてゆくかがカギとなります。
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注目記事 Pick up
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【異彩高!「半導体関連」】
日本証券新聞4月24日(月)紙面1面TOP記事掲載
決算悪→急伸パターン、日米で競演!?
半導体関連が異彩高。20日の決算発表を受けたディスコ(6146・P)が14%高。ジャパンマテ、タツモ、SCREEN、東精密、サムコなどが値上がり率上位にズラリ。日経平均は軟調ながら、関連株の主軸である東エレクとアドテストの上昇寄与分(計49円強)がファーストリテの下落寄与分(59円弱)と拮抗する“空中戦”の様相にある。ディスコが示した今3月期第1四半期(4~6月期)見通しは10.8%減収・23.6%営業減益。これを報じた21日付日本経済新聞の見出しは「ディスコ28%減益」(純利益ベース)、「装置需要落ち込む」だった。別の記事でも「半導体総崩れ、先端品も」など悲観一色にも見受けられたが、フタを開けてみれば、ディスコがカイ気配で始まり、前述の展開となった。
アナリストからも「1Q出荷見通しは想定ほど悪化せず」(ゴールドマン・サックス証券)、「(決算説明会で)今後の見通しには慎重なトーンであったが、底打ちした感覚はあるとされた」(野村証券)、「明るい兆しであろう」(SMBC日興証券)などポジティブな見方が相次いだ。
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今日の市況概況
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4月21日(金)☆[概況/大引け]
半導体株が牽引し一時小幅高となったが、米大統領令計画で上海株が下落し後場は小幅安
大引けの日経平均は93円安の2万8,564円、TOPIXは4ポイント安の2,035ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は798、下落銘柄数は938。出来高は10億5,303万株、売買代金は2兆5,650億円。
半導体株が買われ、日経平均は一時上昇した場面もあったが、バイデン米大統領がハイテク分野の対中投資規制に関する大統領令に署名する計画を受け、上海株が売られたため、小幅安となった。
米国の新たな大統領令は、外国の資金や技術の軍事転用で国力増大を図る中国の国家戦略「軍民融合」を阻止する狙いで、今回の規制は、先端半導体や量子コンピューター、人工知能(AI)に関連した新興企業、未公開株に対する投資が主な対象になるとみられている。
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