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IPO2023年5月15日

IPO社長会見 Ridge-i 第4世代AIで課題解決進める

Ridge-i(5572)が4月26日、グロースに新規上場した。第4世代AIの「マルチモーダルAI」を開発、サービスを提供している。初値は上場2日目に公開価格の2.5倍の4,445円を付けた。上場当日の記者会見で、柳原尚史代表取締役社長=写真=が語った内容は次の通り。

業界のリーディングカンパニーと共創……社員の6、7割がエンジニアで残りが戦略コンサルファーム出身。データ、AIを駆使した先端技術でビジネスの最適解、ソリューションを提供する会社。業界のリーディーングカンパニーと共創していくことをモットーにしている。カスタムAIソリューションという1つのセグメントだが、中身は3つのサービスに分かれている。最初がAI活用コンサルティング・開発サービス。ここで培ったAIエンジンのノウハウ、モデルを提供するAIライセンス提供サービス。特徴的なのは3つ目の人工衛星データAI解析サービス。売り上げのほとんどがAI活用コンサルティング・開発サービスで残りの2つは10%もない。

マルチモーダルで人間の知性、判断をシステム化……AI活用コンサルティング・開発サービスは、AI、DX(デジタルトランスフォーメーション)の戦略作成に始まり、要件定義、開発から運用保守、事業拡大まで一気通貫で顧客がきちんと投資対効果を体感できるところまでやりとげること。その中で注目されるのはマルチモーダルAI。これまでのディープラーニングによる第3世代AIと違い、人間の知性、判断をいかにシステム化するか。そのため、様々なデータに対応したアルゴリズムを柔軟に組み合わせる必要がある。最近の生成系AIと同じようなテーマで、私たちのマルチモーダルAIは既に現場で使われている実績がある。

チャットGPTで再注目……第4世代AIの定義は曖昧さを持っていると思っている。例えばpluszero(5132・G)が言う第4世代AIは確か意味理解のところを中心に訴求されていたと思う。私たちはマルチモーダルAIにかなり注力しており、第4世代AIでもすみ分けがある。オープンAIもそうだが、他社が作る良いAIがあれば積極的に使いこなしていこうと考えている。チャットGPTはAIがすごい注目されるきっかけになったと思う。特にこれまでAIは学習しなければなかなか使えるイメージがわかないことが課題だったが、チャットGPTのすごさは学習の手間なしにみんながAIのすごさを体感できる。多くの方がAIの可能性に気づくといったところですごいと考えている。実際に私たちへの問い合わせでも、(AIが)再注目されていると思う。

人手不足解消を図る……AI構築サービスの市場規模は2027年に9,637億円と言われる。金融や情報通信は比較的導入が進んでいるが、日本のGDPの半分ほどを支える製造業、サービス業は進んでいるとは言えない。製造業やサービス業で中核的な課題となっているのが人手不足。マルチモーダルAIで解くことを想定している。

ごみを見分ける目を再現……AIは一つのパーツなので、システムエンジニアリングとビジネスのロジックに埋め込むコンサルティング能力の3つのバランスをいかにとっていくかが重要。技術とビジネスのバランスをきちんと取り、複数の専門家がタッグを組んで解決に挑み、これまで解けなかった課題が実現できた。代表的な例としては、ごみを見分ける目をマルチモーダルAIで再現した。現在、千葉県船橋市で、ごみピットを撮影してごみの種類をAIが自動判別。クレーンでつかんで適切なタイミングで焼却炉に入れる操作を全自動で行っている。展開する自治体が増えるたびにライセンスフィーが入るビジネスモデル。フロー収益のフェーズを過ぎ、ストック収益のフェーズとなっている。

人工衛星データ国内ナンバーワンに……成長戦略として私たちが重視しているのはフロー収益とストック収益をいかにバランスよく伸長させていくか。ストック収益の伸長は今あるプロジェクトをきちんと成功させ、業務提携を行って、プラットフォームへのライセンス提供を加速させる。フロー収益を上げるため、より上流のプロジェクトにリーチするよう戦略コンサルファームとの提携を行っている。さらに技術革新にきちんと追従するのが最も重要と考えており、第4世代AIの進化に合わせるための研究開発を行っていく。最後に人工衛星データで国内ナンバーワンのポジションを確立していきたい。(HS)

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