5月18日(木)のマーケット
5月17日の米国株式市場は反発。バイデン大統領が、連邦債務上限引き上げ問題で合意が成立すると確信しているとし、米国は債務不履行(デフォルト)に陥ることはないと発言した。共和党のマッカーシー下院議長も、債務上限引き上げに関する合意が21日までに「可能」と述べた。通期予想の下方修正で前日に売られたホームセンターのホームデポが反発し、IT関連のサービスナウや金融機関のJPモルガン・チェースが買われた。NYダウは前日比408ドル(1.24%)高の33,420ドル。ナスダックではテスラやエヌビディア、AMDが高い。NASDAQ総合指数は前日比157ポイント(1.28%)高の12,500。S&P500指数は前日比48ポイント(1.19%)高の4,158。
米国債務上限問題の合意期待を受けリスク・オン姿勢が加速。日経平均は一昨年の高値では上値がつかえたが、好調を持続して480円高。首相が半導体産業への支援を表明し、海外半導体メーカーも投資や連携強化を述べたため、半導体関連への物色が続いた。ソニーGはソニーフィナンシャルの株式上場を前提としたスピンオフ検討と発表した。電機、精密、機械といった輸出関連に加えて、海運や商社も上昇。一方、内需株はさえず電力ガス、紙パルプ、陸運、食品は安い。
スタンダード市場はもみ合い。Abalanceは大幅続落。シダックスも続落となり、名村造船が安い。シダーは反発し、ヤマザキは山田製作所と省力省人化設備の開発などで業務提携を発表し2日連続ストップ高。ジオコードはチャットGPTを活用した新機能「履歴要約機能」で急騰。
グロース市場は小幅安。カバーやマイクロアド、うるるが反落し、カルナバイオは3日続落、unerryは5日続落。Pアンチエイジとサンバイオが安値更新。ロボペイはヘッドウォータースと連携を発表し急騰した。海帆とプログリットは3日続伸となり、BCCは上値追い。
チャート上では、上下にヒゲを伴う陽線。大きくギャップアップとなり、ボリンジャーバンドのプラス3シグマ(3万775円)に急接近。市場エネルギーの強さが感じられるが、25日移動平均線からの上方乖離が5.74%となる等、過熱感も帯びてきた。
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注目記事 Pick up
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【外国人の日本への関心「過去10年で最大」】
日本証券新聞5月19日(金)紙面1面TOP記事掲載
UBS証券 調査本部 足立正道チーフエコノミスト 企業・業界再編進めば さらにポジティブに
海外投資家の日本への関心は過去10年で最大――と海外出張から最近帰国したUBS証券の足立正道チーフエコノミスト(写真)は言う。そのメインエンジンは「インフレダイナミクスの変化」。サブエンジンとして、①PBR1倍割れ問題②地政学リスクの観点から中国投資が難しくなってきたこと③植田日銀総裁が思っていたよりハト派的――などが挙がる。ここでは16日開催のメディア向けセミナーで足立氏が語った話のポイントを紹介する。
日本は長らく賃金と物価が伸びず、結果、日本の家計・企業の成長期待が低下し、外部からのショックに脆弱(ぜいじゃく)な体質となった。しかし、ここにきて賃上げをしないとまずいという認識が社会に広がり、“横並び行動”という日本の文化も相まって賃金上昇。足立氏は「実質賃金も年後半には前年比プラスに転じる」との見通しを示した。
また、欧米に比べ日が浅く始まったばかりのリ・オープニングにより消費やインバウンドの回復余地は大きく、「日本の景気循環は欧米と異なり、米国が景気後退しても日本は景気後退にならないかもしれない」とした。
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今日の市況概況
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5月18日(木)☆[概況/大引け]
米債務上限問題合意期待でリスクオン。首相の働き掛けを受け半導体関連への人気継続。ソニーGはソニーFの上場前提のスピンオフ検討
大引けの日経平均は480円高の3万573円、TOPIXは24ポイント高の2,157ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は957、下落銘柄数は808。出来高は14億2,633万株、売買代金は3兆8,007億円。
バイデン米大統領が債務上限交渉で合意に達すると確信していると表明し、マッカーシー下院議長からも週内の交渉妥結は可能という発言があったため、債務不履行(デフォルト)回避への期待からリスクオン姿勢となった。
日経平均は一昨年の高値の3万670円では上値が抑制されたものの好調を継続した。
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