大引けの日経平均は129円安の3万957円、TOPIXは14ポイント安の2,161ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は356、下落銘柄数は1,420。出来高は14億1,819万株、売買代金は3兆7,601億円。
前場は高かったが5日移動平均線との乖離が前場の高値で7.5%となったため、過熱警戒から後場は下落に転じた。
ただ、3万800円近辺では下値抵抗を見せた。
中国で4月中旬以降、新型コロナウイルス感染症が拡大しており、防疫専門家が「ビッグデータ分析による予測モデルによれば、新型コロナウイルス感染者は今月末に毎週4,000万人に達し、6月末には1週間の感染者が6,500万人に達してピークとなるだろう」と予測した。
これを受けて、百貨店のH2OリテイリングやJフロントリテイリングに加えて、ANAやJR東日本といったインバウンド関連が売られた。
中国のロックダウンリスクが警戒され、工場の操業が停止された場合の不安からトヨタなど自動車株も安い。
なお、東京エレクトロンやソニーグループ、ダイキン工業が売られたが、レーザーテックは昨年11月16日の高値に対する制度信用銘柄の6カ月の期日が明けていることから需給改善期待で6日続伸となった。
auじぶん銀行が発表した5月のサービス業PMI(購買担当者景況指数)は前月改定値の55.4から56.3となり、6カ月連続で上昇した。水準は2007年9月の調査開始以来過去最高で、新規事業、輸出高、受注残高は「記録的な拡大」が認められたという。サービス業の景況感改善を受けて、求人関連のリクルートが買われた。
日本製紙(3863)は野村証券が下期から利益は大幅に回復すると予想し、レーティングを「Neutral」→「Buy」に引き上げたため急騰した。
ソリトンシステムズは、産業技術総合研究所、ヤマハ発動機、三菱電機と共同で自動運転システムの開発を進めてきたが、5月21日から福井県永平寺町で、遠隔監視の下、自動運転レベル4としての運行サービスを国内で初めて開始したと発表し大幅高となった。
業種別下落率上位は輸送用機器、鉄鋼、空運、陸運、その他製品で、上昇率上位は紙パルプ、証券、海運、医薬品、鉱業。(W)