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コラム2023年6月9日

【本日のマーケット】6月9日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

6月9日(金)のマーケット                                                                   

6月8日の米国株式市場でNYダウは3日続伸。週間の新規失業保険申請件数が前週比2万8千件増加し、26万1千件となり、市場予想の23万5千件を上回った。FRBによる利上げ長期化観測が後退し、金利が低下したためハイテク株が反発した。データ分析のパランティアテクノロジーズや顧客管理システムのセールスフォースが反発した。オンライン中古車販売のカーバナは4~6月期の利益見通し改善で急騰。一方、マスターカードは続落となった。NYダウは前日比168ドル(0.50%)高の33,833ドル。ナスダックは反発。テスラが10日続伸となり、エヌビディアとAMDとアップルが反発した。NASDAQ総合指数は前日比133ポイント(1.02%)高の13,238。S&P500指数は前日比26ポイント(0.62%)高の4,293。

日経平均は3日ぶりに反発。米国で失業保険申請件数が3週連続で増加し、利上げ長期化観測の後退に伴い米ハイテク株が反発したことが支援材料となった。ソシオネクストが大幅高となり、三菱商事をはじめとした商社株が引き続き強い。第一三共は月内に抗がん剤の第3相臨床試験データの発表予定に期待感。低PBR銘柄の電力も上昇。一方、ソフトバンクGはもみ合い。水素関連の三菱重工と岩谷産業や海運株も反落した。積水ハウスは大幅減益で売られた。

スタンダード市場ではGMBが大幅続伸。Abalanceが4日ぶりに反発し、Eインフィニティは第3四半期累計決算が営業黒字転換となったことで大幅高。デジタル通貨関連のインタートレードはストップ高。アクセスグループは反落し、ミライアルは減益決算と減配予想で下落した。

グロース市場では、アクリートとグローバルセキュリティがストップ高となり、プログリットが大幅高。トヨタ系が電力損失の少ないダイヤモンド製パワー半導体の共同研究を開始したことを受けて、人工ダイヤ関連のEDPに思惑買い。フューチャーリンクは利食い売りで反落した。

日足チャート上では、週初からギャップアップとなり3万2000円台に到達。水・木曜日にはメジャーSQ前のポジション調整で波乱の展開となり、2日間で865円の急落。5日移動平均線も下抜けて調整色も色濃くなった。警戒されたメジャーSQを通過すると、買いの勢いが再開。再び5日移動平均線を奪還して週末を迎えた。週足では、上下に長いヒゲを伴う陽線。波乱の週となったが、9週連続の陽線となり強い地合いを確認する1週間となった。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。株式市場が堅調です。

現在の株価上昇の原動力は、明らかに海外投資家です。

東証が発表する「投資部門別売買動向」によれば、最新の5月第5週(5月29日ー6月2日)の海外投資家は+5352億円の買い越しでした。これで3月第5週から10週間連続での買い越しです。この間の買い越し額は合計で+4兆5488億円にのぼります。

今週は水曜日、木曜日とさすがに高値圏で波乱の動きが見られましたが、それもアドバンテスト(6857)や東京エレクトロン(8035)など先行して上昇した半導体関連株や、キーエンス(6861)のような超値がさのハイテク株の上昇が止まった程度にとどまっています。

それらに代わって、三菱重工業(7011)、川崎重工(7012)、日揮HD(1963)など政府の「水素基本戦略」改定に関する銘柄群が大きく値を切り上げています。ほかにも阪急阪神HD(9042)や近鉄グループHD(9042)のインバウンド関連の電鉄株や、関西電力(9503)、中国電力(9504)、東京ガス(9531)など公益セクターの中にも着実に上値を追う銘柄が見られます。

まさに現在の株式市場は百花繚乱のような様相となりつつあります。このような状況はいつか見た光景のように思い出します。今では「バブル」としか表現されない1980年代後半の状況です。

楽観は許されませんが、現在のこのような流れはそう簡単には止まらないのではないでしょうか。慣れない高値圏を恐れながらも、現在の相場の勢いになんとかついてゆきたいものです。

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注目記事 Pick up
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【“月・火・金高”の背景に外国人買い
日本証券新聞6月12日(月)紙面1面TOP記事掲載 

中国人が「日本株ETF爆買い」の指摘も

SQ(特別清算指数)算出日通過を待ちわびたかのように、9日の日経平均は怒りの急反発。一時662.77円高まで買われ、引けも623.90円高。7~8日の計865.51円安に対して一気に3分の2戻しとなった。ここ1年、先物・オプションの“メジャーSQ”通過後に急落するパターンが4回続いてきたが、今回は事前に大きく売られた分、逆の目に出たような格好だ。

7日に「寄り付き直後201.75円高→大引け593.04円(安値引け)」の大荒れ展開(日中値幅今年最大)を演じた際には、“魔の水曜日”との言葉が飛び交った。これまでもメジャーSQ週の中盤に思惑を交えて急落する例は多く、こうした表現はたびたび使われてきたが、ちょうど外国人買いが本格化してきた4月ごろから、こうした“曜日習性”が鮮明化している。そして9日の急反発にもその辺が表れているかのようだ。

・・・続きは紙面・Digital版で!

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今日の市況概況
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6月9日(金)☆[概況/大引け] 

623円高。米ハイテク株反発や中国の個人投資家の資金が日経平均に連動する中国のETFを買っていることも支援材料

大引けの日経平均は623円高の3万2,265円、TOPIXは32ポイント高の2,224ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は1,522、下落銘柄数は267。出来高は15億2,746万株、売買代金は4兆3,608億円。
3日ぶりに反発。米国で失業保険申請件数が3週連続で増加し、利上げ長期化観測の後退に伴い米ハイテク株が反発したことが支援材料となった。
日本に関してはインフレと賃上げに好循環と、東証による低PBR是正要請を受けた企業の資本効率の改善期待が相場上昇の原動力となっている。

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