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IPO2023年7月5日

IPO社長会見 AeroEdge(エアロエッジ) 技術力を生かした新規案件、新市場開拓へ

AeroEdge(7409)が7月4日、東証グロースに新規上場した。同社は航空機エンジン部品のチタンアルミブレードを製造。初値形成は翌日に持ち越し、公開価格(1,690円)の3.4倍となる5,860円だった。上場当日の記者会見で森西淳代表取締役社長兼執行役員CEO(写真)が語った内容のポイントは次の通り。

栃木から世界に挑む……もともと創業80年を超える菊地歯車という栃木県足利市の老舗の中小企業から、2015年に今のLEAPという次世代エンジンのチタンアルミ製タービンブレードの仕事をするためにスピンアウトした。LEAPはボーイングやエアバスに積まれるエンジン。ジェットエンジンの中でもブレードは量産と言われる製品になる。1ウイング100枚以上で構成されるので、エンジンに1つしか付かないという部品ではない。難しい加工の難しい製品を大量に量産するという仕事をしている。

長期契約で安定成長……このLEAPというエンジンは、今日の環境規制、また厳しい騒音基準、それらに準拠した、非常に優れた次世代のエンジン。コロナ禍を抜けて今後回復に向かう中で、エアバス、ボーイングともに10年以上のバックログ(受注残)が入っているので、この後もしっかりとした成長が望める産業だと感じている。強みは工具の開発や加工のプログラミングを内製で行っていること。今後もトライ&エラーで、チタンアルミのみならず、様々な難しいとされる技術にチャレンジしていきたい。

CO2削減が求められる航空業界……われわれの顧客であるOEMメーカーとは非常に良い信頼関係が築けている。今後、より関係性を強く、また、われわれも成長していくためには、やはりGX(グリーントランスフォーメーション)が重要なテーマになっている。今後のモノづくりの在り方としては、いかにカーボンニュートラルを達成しながら世界にチャレンジしていくか、そういったところも非常に重要だと思っているので、会社としてもしっかりと取り組んでいく。

今後の成長戦略……成長戦略は大きく4つ考えている。1つは世界で最も売れるエンジン。これは今日のバックログを見ても、この後の成長はある種オーガニックな成長だと考えている。そして、今までの仕事で培ってきた技術力+R&D(研究開発)を組み合わせた次世代の新しいジェットエンジンの部品、新しい乗り物としてeVTOL(空飛ぶクルマ)や昨今の災害事情からエネルギー事業に取り組んでいきたい。なお、eVTOL向け部品については既に量産を手掛けている。われわれが携わっているeVTOLの機体は今後日本でも飛行が予定されている。また、これまでの技術を応用した航空産業での新事業なども考えている。モノづくりで重要なポジションを占める材料開発についてもR&Dの中でしっかりやりながら、より上流の工程からビジネスに参加していく。(SS)

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