8月7日(月)のマーケット
8月4日の米国株式市場は反発して始まったが後半に下落した。NYダウは3日続落。7月の雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比18万7千人増と市場予想の20万人増を下回った。平均時給は前年同月比4.4%上昇と前月と同じ上昇率で市場予想の4.3%上昇を上回った。シカゴ連銀の総裁が、深刻な景気後退を招くことなく、インフレを鈍化させることが可能という考えを示し、格付け会社フィッチ・レーティングスによる米国債格下げが何ら変化をもたらすとは考えていないと述べた。NYダウは一時290ドル高となったが、アップルの下落や平均時給の高止まりを受けて、インフレ圧力の後退に時間が掛かるという見方から、後半は売りに押された。アップルは4~6月期決算が3四半期連続の減収となったことで売られた。モバイル決済サービスのブロックは7月の粗利益の伸び率が失望され大幅安となった。NYダウは前日比150ドル(0.43%)安の35,065ドル。ナスダックは4日続落。アップル(ナスダック上場でNYダウ採用)の他に、テスラやネットワークセキュリティのパロアルトネットワークが売られた。一方、アマゾンは4~6月期の営業利益が前年同期比2.3倍となったことで買われた。NASDAQ総合指数は前日比50ポイント(0.36%)安の13,909。S&P500指数は前日比23ポイント(0.53%)安の4,478。
先週末の米国株安を受け反落して始まったが、日銀金融政策決定会合「主な意見」で、ある委員が「マイナス金利政策修正に大きな距離」と述べたことを支えに戻した。日本製鉄は減益幅縮小予想を好感。三菱重工が買われ、アステラスは米国の承認取得で大幅高。一方、今年の相場を牽引したアドバンテストなどの半導体関連と三菱商事などの商社株は利益確保で下落。スクエニHDは大幅減益で大幅安。大成建設は赤字決算で、大林組は減益で下落。
スタンダード市場では、焼津水産化学がTOBが発表されストップ高。ユシロ化学は通期の業績予想と配当予想を上方修正しストップ高。内海造船が高騰を継続し、ジャパンエンジンは2日連続ストップ高。一方、Abalanceが反落し、オリエンタルコンサルは決算発表延期で急落。
グロース市場では、BASEが大幅続伸。ELEMENTSは子会社が世界最大規模の暗号資産取引所Binanceのパートナー企業になったことで一時ストップ高。アスタリスクは自動レジを用いた本場さぬきうどん店を発表したことが材料視された。M&A総研やメイホーが安い。
チャート上では、上下に短いヒゲを伴う陽線。7月12日の安値3万1791円を割り込まず、3万2000円台で大引けとなった。底堅さをうかがわせるが、5日移動平均線(3万2558円)が25日移動平均線(3万2666円)を下抜けてデッドクロスが示現しており正念場となりそうな株価位置。
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注目記事 Pick up
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【ソフトバンク新高値】
日本証券新聞8月8日(火)紙面1面TOP記事掲載
MSと提携で国産生成AI開発本格化 楽天モバイルにエールと苦言も
ソフトバンク(9434・P)が続伸で、年初来高値更新。
前週末4日開示した今3月期第1四半期(4~6月)決算は売上高1兆4,296億6,600万円(前年同期比5%増)、営業利益2,463億1,900万円(同2.1%増)の増収増益だった。
全セグメントが増収。このうち、コンシューマ事業のスマートフォン累計契約数は2,958万件(同6%増)と堅調で、料金競争による売上高の減少幅は58億円と縮小傾向にある。ファイナンス事業ではオンライン決済サービスのPayPayの売上高が同41%増と急増し、連結EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)は単独四半期で初の黒字化。
同時に日本語に特化した国産の大規模言語モデルの研究開発と生成AIサービスの開発、販売、提供を行う完全子会社「SB Intuitions」を8月から本格稼働したことも発表した。約200億円を通じてAIデータセンターを今秋に構築予定。ソフトバンクにはLINE、ヤフーなどのサービスがあり、開発した生成AIをすぐに多くのユーザーに展開できるのが強みとしている。前日には日本マイクロソフト(MS)と生成AIやクラウドでの戦略的提携で合意した。
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今日の市況概況
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8月7日(月)☆[概況/大引け]
朝方の安値の後は、日銀金融政策決定会合の「主な意見」を受け、持ち直した
大引けの日経平均は61円高の3万2,254円、TOPIXは9ポイント高の2,283ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は1,315、下落銘柄数は474。出来高は14億5,509万株、売買代金は3兆4,327億円。
先週末の米国株下落を受けて、日経平均は取引開始直後に362円安の3万1,830円となったが、その後は持ち直した。
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