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コラム2023年8月28日

【本日のマーケット】8月28日(月)

8月28(月)のマーケット                                                                   

8月25日の米国株式市場は反発。パウエルFRB議長が経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)で講演し、「この1年、金融政策を大幅に引き締め、インフレがピークから鈍化したのは歓迎すべき動向だが、依然として高すぎる」、「適切であれば、さらなる利上げを実施する用意がある」と語った。一方で「金融を引き締め過ぎれば経済に不必要な悪影響を与える可能性もある」と述べ、景気にも配慮する姿勢を示した。FRB議長の講演を受けて、金利が上昇し、NYダウは一時70ドル安となったが、その後は持ち直した。市場では年内に追加利上げがあっても最後の利上げという見方から株式市場では買いが入った。NYダウは前日比247ドル(0.73%)高の34,3469ドル。ナスダックでエヌビディアは売られた。決算発表について、これ以上、良いニュースは望めないという指摘もあり、利食い売りに押された。NASDAQ総合指数は前日比126ポイント(0.94%)高の13,590。S&P500指数は前日比29ポイント(0.67%)高の4,405。

先週末のFRB議長の講演は利上げを休止・様子見へと受け止められ、週明けの日経平均も反発した。レーザーテックやソシオネクストなど半導体関連が買われ、ダイキン工業はSBI証券による投資判断引き上げで注目された。円安で神戸鋼やホンダも高い。中国が資本市場活性化措置を発表し上海株が大幅反発したため、安川電機も上昇した。一方、原発処理水の海洋放出に対して中国で日本化粧品の不買運動が発生し、インバウンド関連は売られた。

スタンダード市場では、ビューティ花壇が大幅高となり、居酒屋のマルシェとかんなん丸がストップ高。イメージワンはトリチウム水からトリチウムを分離する技術を開発していることで買われた。YEデジタルは業績上方修正で高い。建設コンサルタントのキタックは大幅反落となった。

グロース市場では、GNIが買われた。政府がEV充電器の設置目標を2倍に引き上げる方針と報じられ、エネチェンジが大幅高となった。タメニーは「ゼクシィ相談カウンター」と連携を発表し買われた。インバウンド関連のHANATOURは大幅安。INFORICHは大幅続落。

チャート上では、上下に短いヒゲを伴う陽線。5日移動平均線(3万1,989円)を回復し、3万2000円台の値固めとなった。75日移動平均線(3万2,176円)に頭を抑えられたが、ここをクリアして行けるか注目される。

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銀行株、いつまで上がる? 岡三証券 金融セクターアナリスト 田村晋一氏
日本証券新聞8月29日(火)紙面1面TOP記事掲載

前回の利上げ(06年7月、07年2月)時が参考に

銀行株はリーマン・ショック以降のゼロ金利、マイナス金利下、保有する意味買いが薄れていたが、米金利の上昇、日銀の政策変更によりこの1年大きく上昇した。この先はどのように対応するといいのか――。岡三証券の金融セクターアナリスト、田村晋一氏に聞いた。田村氏は銀行入行後、米国留学などを経て外資系証券で銀行セクターアナリストとして活躍。地銀を含め銀行に精通する。

――銀行株の現状認識。

「過去1年、日米ともに金利に対し“先高期待”が乗り、“結論”が見えていない状態。期待のみで金利が高止まりしている状態は銀行株にプラス。ファンドマネージャー的な相場観では、昨年上がったため今年は銀行株はお役御免としたいところだが、金利上昇が終わりを見せていないため銀行株で引っ張らないといけなくなった」

――こうしたセンチメントが変わる要因は。

「一つが米国の利上げ終了。日銀についてもどこかでYCC(イールドカーブ・コントロール、長短金利操作)解除、マイナス金利をゼロ金利に戻すかもしれない。その“手前”が売り時。また、自社株買いや株主還元が11月の2Q決算で出そろえば材料出尽くしの雰囲気になる。FRB(米連邦準備制度理事会)の政策、日銀の政策、株主還元のいずれかで“結論”が出始めた時、“期待”が終わる時、それが下がり時だろう。ただ、例えば自社株買いが発表された11月に米利上げがあと3回あるなどとなれば話は違ってくる」

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今日の市況概況
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8月28日(月)☆[概況/大引け]

FRB議長の講演を受けて反発。中国の不買運動でインバウンド関連は安い

大引けの日経平均は545円高の3万2,169円、TOPIXは33ポイント高の2,299ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は1,508、下落銘柄数は276。出来高は10億9,806万株、売買代金は2兆8,936億円。
先週末のジャクソンホール会議で、パウエルFRB議長の講演は追加利上げついての判断を「慎重に(carefully)」に行うと2回強調し、「制限的(restrictive)」との文言を7回用いて、「制限的な金融政策(restrictive monetary policy)」の役割と貢献度を繰り返し説明した。
そのため、市場では、高い政策金利を「しばらくの間」据え置くという見方が取られた。
利下げ期待を牽制するために、利上げ再開をちらつかせつつ、様子見姿勢へと舵を切ったという見方から、先週末の米国株が反発し、週明けの日経平均も反発した。

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