9月4日(月)のマーケット
9月1日の米国株式市場でNYダウは反発したが上値は重く、ナスダックは一服となった。8月の雇用統計で非農業部門の雇用者数は18万7千人増加で、市場予想の17万人増加よりも多かったが、失業率は3.8%で7月の3.5%から上昇し、平均時給は前年同月比4.3%上昇と7月の同4.4%上昇から鈍化した。FRBの追加利上げ観測が一段と後退したため、NYダウは朝方257ドル高となったが、その後発表された8月のISM製造業景気指数は47.6と7月の46.4から上昇し、市場予想の47.0を上回った。クリーブランド地区連銀のメスター総裁が「ある程度進展はしているが、インフレはなお高すぎる」と発言したこともあり、長期金利が上昇したため、NYダウは上げ幅を縮め、一時前日終値水準まで落ちたが、その後は小反発となった。デル・テクノロジーズは第2四半期(5~7月)の売上高がアナリスト予想を上回り、収益見通しも引き上げたため、急騰した。企業の人工知能(AI)活用を支援する製品への需要が長期的な追い風と述べた。NYダウは前日比115ドル(0.33%)高の34,837ドル。4日(月)がレイバーデイの祝日のため、3連休を控え、ナスダックは一服となった。電気自動車のテスラは中国で8月中旬に値下げしたが、9月1日に追加値下げを発表したため、価格競争が一段と激しくなると警戒され、売られた。ブロードコムとエヌビディアが安いが、AMDとインテルは買われた。NASDAQ総合指数は前日比3ポイント(0.02%)安の14,031。S&P500指数は前日比8ポイント(0.18%)高の4,515。
先週末のNYダウ反発と週明けの香港株大幅反発を受けて、日経平均は6日続伸。鉄鋼、海運、自動車、不動産、銀行、商社が高い。鉄鋼株は原料の鉄鉱石や原料炭の価格は上昇が一服しているが、トヨタが部品メーカーに供給する鋼板の価格を据え置いたため採算が維持されるという見方から買われた。伊藤園は第1四半期が大幅増益となり急騰した。一方、ソフトバンクGは売られ、レーザーテックやアドバンテストなど半導体関連株は小幅安。
スタンダード市場では、太陽光発電のウエストHDが通期予想を下方修正したが織り込み済みという見方で上昇した。AIメカテックは水戸証券がレーティングを引き上げた。GMBが大幅高。相模ゴムはオアシスマネジメントによる保有判明でストップ高買い気配。セイファートは大幅反落。
グロース市場では、創薬ベンチャーのGNIが再び買われ、Vチューバー事務所のカバーが続伸。キャッシュレス決済のGMOFGはSMBC日興証券が投資評価を引き上げたことに刺激を受けた。一方、NPCは6日ぶりに反落し、直近新規公開株のインバウンドPFは続落となった。
チャート上では、下ヒゲを伴う陽線。高値引けとなっており、相場の強さを感じさせる。一目均衡表の雲抜けとなり、8月1日の戻り高値(3万3488円)も視野に入ってきた。
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注目記事 Pick up
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【中国経済も“失われた20年”入りか 大和総研 齋藤尚登主席研究員語る】
日本証券新聞9月5日(火)紙面1面TOP記事掲載
迷走する不動産政策 民営優遇が課題に
日経平均は5月22日(7日続伸)以来の6連騰。懸案の米国イベントを通過して順風満帆とも思える相場状況ながら、こんな時こそ足元を見つめ直す必要があろう。中期的な不安要因と言えばやはり中国経済だろう。2003~10年に大和北京で中国経済、株式市場制度を担当してきた中国分析の専門家、大和総研の齋藤尚登主席研究員(写真)はメディア向け勉強会で以下のように話した。
「中国では、住宅取得年齢の30~34歳人口は21年末の1億2,280万人から31年末には8,021万人に減少する見通し。住宅価格実需減少に合わせて供給を調整する縮小均衡策で住宅価格のソフトランディングを図っている状態だ。供給調整に失敗すれば暴落の可能性がある。不動産に依存した経済発展は終焉を迎え、昨秋あたりから成長鈍化が目立ってきた。このまま低成長が常態化し、『失われた20年の始まり』となるリスクがある。中国の成長率が1%低下すると日本も0.3%の低下につながる」
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今日の市況概況
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9月4日(月)☆[概況/大引け]
高値引け。鉄鋼、海運、自動車、不動産、銀行、商社が高い
大引けの日経平均は228円高の3万2,939円、TOPIXは23ポイント高の2,373ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は1,422、下落銘柄数は373。出来高は13億3,631万株、売買代金は3兆2,415億円。
先週末のNYダウ反発と週明けの香港株大幅反発を受けて、日経平均は6日続伸となり、本日一日の中の値動きでは高値で取引を終えた。
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